みんなの幸せ

 その街には正義と悪があった。正義を貫く人々は、悪の全てを束ねる男を処刑した。今際いまわきわに、男は自分を必要悪だと叫んだ。男亡き後、悪に走る者はことごと粛清しゅくせいされ、元々悪事を働いていた者は迫害を受け、正義を受け入れられない者は職も住居も奪われ、街は正義そのものとなり、人々は皆幸せに暮らした。

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