あとは上がるだけ、それも出来ないくらい底の底

 空を飛ぶ夢を見た。自由自在に、どこまでも高く昇って飛び回った。何も縛り付けるものはなく、私の理想が溢れる世界だった。柔らかい雲の上にフワリと浮かび両手を広げると、涙が溢れて止まらなくなる。夢だと気付いてしまったからだ。目が覚めた私は、道の端の硬いコンクリートの上で縮こまっていた。

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