何ものにも代え難い

 病臥の母の為に、好きだった歌手の歌を聴かせたり、好きだった苺を買って来たりした。でも母は「大丈夫だよ」と「苺美味しいから食べて」と。私は何も出来ないと焦る。人生で一番好きだった物は何かと聞く。母は「お腹を抱えて笑うあなた」と。涙が溢れて、隠すようにぐしゃぐしゃに大笑いして見せた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る