乗り鉄
「俺、撮り鉄辞めるよ」
「良い腕してるのにもったいないな」
「撮っているうちに気付いたんだ。自分の居場所はあっち側だって。俺、乗り鉄になるよ」
――あれから十年。いつものようにカメラを構える俺に、短く警笛が鳴った。
ファインダー越しに目が合ったのは、とても嬉しそうに運転するあいつだった。
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