心の傘

「バカヤロウ!」

 肩が当たっただけなのに。心に雨が降る。そこへ男が近付いてきた。

「心の傘をやろう」

 傘を開く動作をして拳を突き出す。傘など見えないが、受取る真似をした。するとどうだ、心が晴れた。だが片手が塞がって困った。そこへ見えない何かを引きずる女が現れた。

「心の傘立てはいかが?」

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