実るほど

 田んぼに水を引くために

 用水路が鳴るゴロゴロゴロ

 それまで呑気にユラユラと

 ただ浮かんでいたアメンボが

 これはまずいと慌てては

 必死に泳ぐも一匹二匹と

 流れに負けてその先へ

 田んぼは水で満ち満ちて

 これがいのちのなる穂かと

 見上げて呟くアメンボに

 自分にそれが出来るでしょうかと

 次第に稲穂はこうべを垂れる

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