イミテーション

「もうやめろ」

 何を言われても夢中になって掘った。

「ちょっとおかしいぞ」

 あれさえあれば幸せになれる。あの人もそうしたし、あの人もそう言った。

「そんなに大事なのか」

 全てを犠牲にしてまで手に入れた物は、ある時手から滑り落ちて砕けた。飛び散った欠片を知らない人が拾って、間抜けだと笑った。

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