第7話  チョコアイスモナカ。


チョコアイスモナカが食べたかったんだよ。


どうしてか、どうしても食べたかったんだよ。


深夜のコンビニの駐車場。


ただ、サヨナラって言われただけなのに…別れただけなのに…。

1月末の横浜は、寂しげに空も泣き、そして俺も泣いていた。


何泣いているの?

何想っているの?

 

そして気分は?


『グリコ』


そのココロは?


グリコだけに、お手上げ…。



なんて考えてる、甘ったれた自分に、甘ったるいもので、気合いを入れたかったのかもしれない。


チョコアイスモナカにカフェオレを買い、コンビニの駐車場へ戻る。


深夜の駐車場。


昼間の喧騒は無く、ただただ、静寂がある。


車に乗り込んだ俺は、しばし、目を閉じ、それから、深く煙草の煙を吸い、吐き出した。



煙草を揉み消し、チョコアイスモナカの封を切り、四角く仕切られた形状に沿って、一口噛じる。


パリパリ!!


耳からも、頭の中からも、乾いたチョコが砕ける音がする。

甘ったるい刺激と砕ける乾いた音は、まるで俺を叱咤するが如く、俺を責め続ける。


苦しくて、切なくて…美味しくて、一気に食らう。


食い終わり、追い討ちをかけるように、カフェオレを啜る。


くぅ~!


甘い…。


死にそうに甘い!!


思わず口から、だらりと垂れ下がる舌に、更に情けなくなる。



俺は、車を降り、雨空を仰ぐ。


流れる涙を雨でかき消す為。



チョコアイスモナカが食べたかったんだよ。


どうしてか、どうしても食べたかったんだよ。



俺は、雨と一緒に流れて行った。




って、こんな感じで書くと、チョコアイスモナカも切ないだろ?


( ̄m ̄*)プッ

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