君の外にあるもの

言葉を綴ることに疲れたなら


一度手を止めて外に出るといいかもしれない


交差点で仰向けに寝転がり空を見上げれば


君の住む世界がどんな場所か思い出すだろう


天と地には境界があって


地と地には境界がない


僕らが微睡んでいる間 誰かが虐待を受けたり

泣いたり 笑ったり 幸せに語り合ったり

まだ誰かがあのビルで仕事していて

カリブーの肉を食ったり 川魚がぴょんぴょんと飛び跳ねる

ヒマラヤを誰かが探検して 凍りついたままそこにいる死体とか


当たり前だけど世界は動いている


相対的に


つまり僕らが動けば彼らが動いて

彼らが動けば僕らが動く


お前はどうやって加工されてきたんだい?


長靴で踏まれた野菜


かたやマトリックスみたいに管理された

食べられるために育ってきた命を僕は眺めた


どことなく寂しげな顔をしているよ

それは脳みそで加工されていて

本当はどんな顔をしているのか

遺伝子レベルで家畜が刷り込まれたかい?


君の外にあるものを見て

あの時と比べて何が変わったか? どう変わったか?


君は外で作られたことを、きっと思い出すだろう


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2014年10月頃?作

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