ベール

他人褒めるのは 何より難しくて

デコレした言葉が 人を上滑りする


きっと欲しいのは 好きか嫌いで

それだけの思いが 伝わればいいのに


曖昧は 曖昧さで

多分こうだろうって分かったふりしてる


本当は、知っているのに


柔らかい羽毛が ややこしいことさらって

慰めの世界に 連れて行ってくれる


天邪鬼な僕が 無垢だったころの記憶

妖精の弦に作為を 感じられずにいた


最後に多くは

意味を持たない ミニゲームみたいなもので


じゃあ僕は何を望んでいるの?


何を

何も

何も……


難しくて


ふと心に蘇るのは 灰色のベール


妖精が僕のために音弾いてたよ


空しさに涙流して


枯れて、いったよ


あの懐かしさが僕を覆って


覚えてるよ 匂いを 音を 木漏れ日を


目覚めずにいたい


目覚めずにいたい


目覚めずにいたい……


寂しさが不意に 僕を目覚めさせる

無邪気さは もう取り戻せないから


知ったふりして 旅立って

折り合いを見つけよう


---

2016年3月頃?作

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