第11話 昼飯

「おーっす。ショウ。昼飯食べに行こうぜー」


 昼時間になってギュウが俺の席にまでくると俺は


「お、おう。それじゃ行こうか」


 俺も席から立ち上がって一緒に購買に向かう。購買は一階、二階、三階、それぞれにあり三階が3年生、二階が2年生、一階が一年生が利用する決まりとなっている。例外になるとすればテンダーという学年で成績優秀な10人に入れば一階から三階の好きな場所の購買を利用できるらしい。テンダーの利点の一つだ。

 俺たちは一年生の購買に着くとギュウが


「シュラは何を食べるんだ?」

「そんなの決まっているだろ。カレーパンだよ!」


 そう俺はカレーパンが好きだ。まぁパンでなくてもカレーが好きなんだが。

 俺はカレーパンを買おうとするがギュウが


「残念ながら1年の購買にはカレーパンないぞ」

「なん、だと。カレーパン、がない?」


 俺がカレーパンが売ってないことにショックを受けているとギュウが


「1年の購買は基本味の薄いものしかないねー。食パンとか食パンの耳とか。後は白米だけおにぎりとか」


 ・・・1年の購買ラインナップひどくね?


「まぁテンダーに入ればどれでも選べるんだからさ。頑張ろうぜ。1年の時は味薄のものを食べてさ。それに1年の購買は捨てたもんじゃないよ」

「というと何か利点があるのか?」

「ああ。なんと!お茶は無料だ!どうだ?水とお茶が無料ってのはだいぶ違うだろ?」


 た、確かにお茶が無料ってのはいいな。仕方ない。今日は白米のおにぎりでも買うか。俺は購買に行って白米のおにぎりを買おうとすると1年の購買に水色の髪の一度見たことがあるような女性が俺の前に来て


「やぁショウちゃん。ご無沙汰ー」

「あ、どうも。昨日はありがとうございましたペロちゃん先輩」

「もう昨日も言ったじゃんかー。ペロちゃんでいいって!ショウちゃんは硬いんだから。硬くするのは男で言えば筋肉?かな。それぐらいだけでいんだよ硬くするのはー」


 ペロちゃんは筋肉が好きなんだろうか?とりあえずどうでもいいがなんで1年の購買にペロちゃんが?


「ふっふーん。なぜペロちゃんがここに?という顔をしていますな。なんでだと思いますかな?ショウちゃん」

「え?なんでって購買だからお昼を買いに来たんじゃ」

「ぶっぶー。不正解です!不正解のショウちゃんには白米のおにぎりはあげません!」


 ペロちゃんは俺が購入しようとした白米のおにぎりをとって


「おばちゃん。これ私が買うねー」

「はい。毎度。ありがとうねー」


 ペロちゃんはお金を払うと俺に


「このおにぎりが欲しければ私との勝負に勝ってからにしてもらおうか。ちなみにショウちゃんが勝てばこれをあげよう」


 ペロちゃんが俺の前に出したそれは俺がお昼に食べたかったカレーパンと書いてある袋に入ったカレーパン。


「その勝負やらせていただきます!」

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