第3話 付き合う?
主人公の名前を水谷
作者の不手際で申し訳ありません。
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「さぁて、告白してくれた証拠もあることだし……付き合う?って言ってもいいんだけど私はもうよっぴーのこと好きじゃないんだよね。……どうせよっぴーも私だって知ったら恋愛感情抱かないだろうし」
「なんか代わりに要求があるんだろう?」
正直、こちらとしてはソッチの方が有り難いが……。
「勿論!」
すると玲奈は正解と言わんばかりに指を鳴らすとわざわざ耳元まで来て口を開いた。
当然、そんなことをされるなど思っていなかったので反応出来るわけもなく俺の耳元に温かい息がかかる。
「週に一回私と遊ぶ。それでどう?」
「っ……。いや、それは……」
俺が耳が弱いのを知っていてワザと仕掛けてきた玲奈を少し睨みながらも俺は玲奈からの要求について考える。
一体どういう意図があるのだろうか?
「さっきの件でからかったり、奢ってもらうだけだ___ひ、久しぶりに遊びたいだけだよ?」
「おい、今本音漏れてたぞ」
やっぱり悪魔みたいな奴だ。きっと会う度にさっきの俺の告白をネタにからかうのだろう。考えたら胃が痛くなってきたな。
「でも、この要求呑まなかったら……さっきの録音した奴を学校で流して付き合ってることにしちゃうけど?」
「是非、先程の要求を呑ませていただけないでしょうか?」
気がつけば俺は頭を下げそう頼み込んでいた。玲奈の彼氏になる上に、学校中から注目を浴びるってなんの罰だよっ。
いや、相手が北川さんだったら学校中から注目浴びるのもある程度は受け入れられるんだけど。……というか、今俺物凄く変なこと思ってるような?
「最初からそう言えばいいのに……素直じゃないなぁ」
「はいはい。っで、1つだけ聞きたいんだがなんでそんなことして欲しいんだ?」
先程、玲奈は俺のことはもう好きではないと言っていた。これに関しては大分前のことだし当たり前だとは思うのだが、だったら何故俺と遊びたいなどというのか?
「それは……その友達としては好きというか。あっ、いや違くてっ! その、学校とかだと演技で疲れるから本性を出せる相手と遊びたい、というか。それにオモチャにしやすいしさ」
「なるほど」
大体、玲奈が言いたいことが分かった俺は少し頷く。つまり、玲奈はストレス発散を一緒にする相手が欲しいというわけだ。……なんか、ちょっと慌てているようにも見えるのは気になるが。今はそれよりも、
「はぁぁぁ、なんでこうなった?」
「あはは、さっきまで告白してたのにね。不思議なこともあるもんだね」
「色々とトラウマ化しそうなレベルだぞ?」
先程まで告白してひと時幸福を味わっていたはずの俺は気がつけば幼馴染に脅され要求を呑まされていた。中々あることじゃない。というか普通ないだろっ。
「にしてもよっぴーがこういうのがタイプだったとはね。昔の私がこの演技して接してたら今頃付き合ってたのかな?」
「それは……ないだろ」
「厳しい〜」
玲奈が少しはかなげな笑みを浮かべて言った言葉に対し、俺は少し考えた
「だって、俺とお前が仲良くなれたのはお前が本性隠さず笑顔で話しかけに来てくれたお陰だろ? じゃなかったら、そもそも遊んですらないだろうし」
「っ……。そう……だね」
確かに俺にとって玲奈は恋愛の対象外だ。それは玲奈が俺に好意を抱いていてくれた昔も、抱いていない今も変わることはない。
だが、友達としてなら玲奈が言っていたように好きだ。それも変わることはない。
「じゃあ約束だからねっ。今週から1週間に一回は遊んでもらうんだから」
「はいはい」
俺の目の前を元気に飛び跳ねる玲奈を軽くいなしながら俺は適当に頷いておく。本当に教室で見ていた北川さんとはまるで別人だな。
「あっ、あと遊んでる時に追加ルールとして私が指示出したら「好き」って言ってね?」
「うわっ、懐かしの追加ルールだ」
玲奈がよく使っていた追加ルールを久しぶりに聞き俺は感傷にひたりそうになるが待ってほしい。今、コイツなんつった?
「鳩が豆鉄砲を食ったような顔してどうしたの? ただ「好き」って言うだけでしょ? さっきも言ってたしいける、いける」
「言うだけでしょ……じゃねぇっ!」
どうやら、聞き間違いじゃなかったらしく悪ーい笑みを浮かべる玲奈の頭を軽く叩く。
「むぅ、周りの人に見られてる状態で言わせてからかおうと思っただけなのに……」
「陰湿すぎるっ!」
「まぁ、いいや。ちゃんと約束よろしくね」
「はぁ」
こうして俺の初の告白は幼馴染と交渉をして終了といった形になるのだった。……本当になぜこうなった?
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次回「完璧な彼女」
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