第334話

午後2時


 今日の予定では伸二さんと、月のスケジュール確認やブラックハッカーとの対抗策について話し合う筈だったのだが、急遽、スペースオペラ法務部の人達から緊急の呼び出しがあったようで、話し合いに関しては別日に変更となってしまった。


 「という事で今日は腹一さんと一緒に、『ゼクスターロム オンラインモード』で遊んでいきたいと思います。」


 「ハンター歴5年の俺に任せときな!!」


 〈こんなならく~〉

 〈土日は配信時間が早い感じ?〉

 〈こんならく~〉

 〈配信二回目でオンラインに突入だとっ⁉〉

 〈やったれ城東!!〉

 〈ハンター歴5年ってwwww〉


 予定変更により、夜9時頃に続きをやる筈だったゼクスターロムをこの時間から始めたのには、ちゃんとした理由がある。

 まず一つ目は、予想よりも遥に面白いゼクスターロムにハマってしまったこと。

 二つ目は、昨日の配信の反響が想像よりも大きく、GETafterの一番下の方でトレンドになっていたこと。

 そして最後に、偶々朝食を食べていた時に出会った腹一さんから、『おぅ、昨日の配信観たぞ!!―――――ゼクスタやってみてどうだったよ?――――実は俺も一時期やってたんだけどよ―――――なぁ、次ゼクスタやる時コラボしようぜっ!!』と言う感じで誘われた為、都合よく空いた時間を有効に使おうと考えたからである。


 実際、何でいきなりGETafterのトレンドに載ったのかは定かでは無いが、どうせならノリに乗って配信を続ける、又は、『トレンドに載ったからと言って調子の乗っている配信者』ぐらいに思っていた方が、俺にとって良い方向に運ぶかもしれない。


 〈今日は何狩るの?〉

 〈トレンドおめ!!〉

 〈『このコメントは削除されました』〉

 〈こんならく~〉

 〈城東居る!!〉

 〈城東先輩、キャリーお願いします!!www〉


 映し出されたゲーム画面には、昨日配信を終えた場所と同じハンター組合受付カウンター前に集まる、中二病的恰好が目立つ俺のキャラクター『ジャッカル』と、恐らく『深層』の素材から作られた黒金の豪華な装備に身を包んだ筋肉だるま、城東さんのキャラクター『魔蒸し』が映し出されている。


 「やっぱり、奈落のキャラみたいな姿をした奴、なんかのアニメに出て来てたよなぁ!」


 「いや、こんなキャラクターはどのアニメとか漫画に出て来ても、おかしくないですよ?見た目だけは一級品ですから。と言うか、城東さんのキャラクターも戦国とかを舞台にしたアニメやら漫画に出てきそうですけどね。」


 「まぁ、ゲームのキャラだし似通って当たり前か!って、フリートークはここまでにして、何のクエストに行くよ?」


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