第332話
「おぉー、簡単なのに結構素材が手に入るんですね。その代わりか、倒したモンスターを剥ぎ取るのは出来ないみたいですけど。」
”クエストリザルト”
ゲーム画面には『討伐時間』、『リザルトスコア』、『報酬』が表示されており、報酬の画面に移動してみると通常のクエスト報酬よりも多く、『潜血のダリュナル』の素材やveilが手に入っていた。
その中には、俺が探し求めていた『風草』のアイコンもある。
あー、ここで手に入るとかマジかよ。
〈ドンマイッ!!〉
〈さっさと進めてたらすぐに入手出来てたのにww〉
〈残念でしたww〉
〈まぁ、潜血のダリュナルには今後何度でも挑めると考えたらプラマイゼロ!!〉
〈ダリュナルの装備がどんななのか早く観に行こうぜ!!〉
「ふぅー、別にキレて無いですよ?・・・本当に。」
〈wwwwww〉
〈我慢してて草〉
〈キレ芸上手いww〉
〈キレてる?ねぇねぇ、キレてる?www〉
〈『このコメントは削除されました』〉
盛り上がっているコメント欄に安堵しながら、ふと、今の時間をスマホで確認してみると配信開始から、既に4時間近くも経とうとしていた。
どうやら久しぶりに、面白いと思うゲームに集中出来ていた気がする。最近は、voltex以外のゲームにはほとんど手を付けられなかった、って言うのも関係するだろうがけども。
『『『『うぉぉぉぉぉ!!!!!』』』』
『負傷した奴は急いで運びこめっ!!!』
『おらぁっ!!貴重な素材を無駄にするんじゃねぇぞぉ!!!』
『腹が減った奴は並べっ!!!そこっ、横入りしてんじゃねぇよ!!!』
リザルト画面が終了するとムービーが流れ、後処理に追われる人達の様子が次々に流れていく。そして、ダリュナルの周りに居るハンター達が勝鬨を上げている混雑の中から、大きなハンマーを持って出て来た末爺と複数の上層ハンターが、主人公が立ちこちらへと向かって来る。
『おぉ、お主も大きな怪我も無く生き残ったか!!そうじゃ、後で装備更新も兼ね、ダリュナルの素材を持って儂の工房に来るがえぇ!!最高の装備を作ってやるからのぅ!そんじゃあ、ご苦労さん!』
そう言って主人公の前から歩き去るとムービーが閉じ、いつものハンター達が集まる受付カウンター前に戻って来た。見た感じだと、此処からはミランダさんに話しかけたり、末爺の居る工房に行ったりなど、色々と自由に動けるようなのだが、そろそろ配信を終えなければこの後の予定に響いてしまう。
「と言うことで、ここら辺で配信を終わりたいと思います。長い時間、ご視聴ありがとうございました。続きは、次の配信で出来たら良いかもしれないですね。それじゃあ、こんならく~。」
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