第326話
『ハッ!!セイッ!!・・・・GURrrrrrrrrr!!!』
「ふぅ~、これで最後ですね。やっと最後の『機械餓狼の爪』が手に入りました。」
〈クエスト報酬にも期待!!〉
〈操作上手くなって来てない?〉
〈『このコメントは削除されました』〉
〈鉱脈も見つけたかったけど無かったね!〉
〈初心者装備から卒業だ!!〉
ハンターズ組合の入り口から入って真っすぐ行った階段の先にある、『下層』に向かえる大きなゲートをくぐると、辺り一面に草原が広がり、ポツポツと草食系のモンスターが存在するエリアへと飛ばされ、あれから二時間近く、このエリアに居る大型モンスター『機械餓狼』を狩り続けていた。
その為、ミランダさんと話してから一切ストーリーを進められてはいないのだが、しっかりと時間を潰した理由はある。
まず一つ目は、操作に慣れるようと適当な草食モンスターと戦っている時にふと、コメント欄あった『ここに居る機械餓狼ってモンスターの装備、ギリギリ中盤に差し掛かるぐらいまで使えるからお気に入り!!もし気になったら、作ってみても良いかもしれない!!』と言うコメントに、思わず従ってしまった為である。
これは後から気付いたのだが、機械餓狼の装備を作成するには『機械餓狼』の素材をそれぞれ二十個ずつ集めなくてはならず、その中でも先程手に入れた『機械餓狼の爪』の入手確率は10%。機械餓狼自体を見つけること自体は簡単なのだが、中々欲しい素材が落ちてくれなかった。
二つ目は純粋に、『このゲーム面白過ぎ!!』と言う感じだ。
このゲームは基本オープンワールド。マップ内に表示されている場所であれば、小さな洞窟や湖の中など、様々な場所を自由に探検出来る為、その箇所でしか手に入らないアイテムを収集したり、初期装備では苦戦するようなモンスターから逃げたり等、驚くほど細かく繊細なシステムが組み込んであることが、素人の俺でも分かる。
更には、この手のゲームでよくある『持ち物が持てません。他のアイテムと交換してください』と言う、狩りゲーお決まりの制限が無く、探索中に手に入れたアイテムは全て『仮倉庫』へと無限に送られ、もし探索中に死亡した場合は『仮倉庫』からランダムに半分程アイテムが消失し、一度ハンターズ組合にまで戻りさえすれば、『仮倉庫』に入っているアイテムは全て、ハンターズ組合にある自分の『倉庫』にまで送られるようで、好きなだけ探索出来てしまうのだ。
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