　俺が運営へ向けて書き込んでいる間も、ゲーム内チャットに書き込み続けていた男だったが、次の瞬間、目の前に居た男の姿が消えてしまった。

　それと同時に、男の後ろに立っていたNPC達が動き出し、牢屋の扉を開けていく。

　「はぁ⁉あいつ、逃げやがったな！！クソッ、今度見つけたらぶっ飛ばしてやる！！！」

　「いやいや、俺達のレベルで出来るわけ無いでしょ？それに、このゲームをまだ続ける気力があることにビックリですよ。」

　「そ、そりゃお前、このゲーム、3000円もしたんだぞ⁉流石に、もったいなさ過ぎるだろ！！」

　真実は、俺が『迷惑プレイヤー』として、さっきの男を運営に訴えてみたところ、すんなりと追放出来てしまったのだが、城東さんに説明しても大丈夫だろう。『喧嘩に他の奴の手は借りねぇ！』とか、言い出されても困るしな。

　城東さんと二人、牢屋から出された後、自分のステータスや持ち物を確認してみると、デスペナルティによるステータスダウンと所持金が三分の一、犯罪を起こして兵士に捕まったことによる、武器の没収と罰金が発生している。

　一応、没収された武器は、、一定の金額を払うことによって返却されるようなのだが、残り少ない所持金で罰金を支払った場合、僅かな借金と所持金0を掲げている俺達には、支払うことが出来ない。

　「布装備に素手。結果的に、城東さんと同じ装備になってるんですけど。まさか、城東さんの戦闘スタイルが、一番効率が良かったりしませんよね？・・・・え？」

　「まぁ、武器の返却が必要無い部分だけを見たらそうだろうが、その代わりに防御力を失ってるから何も言えん！と言うか、このゲーム難しすぎるだろ！！何か、救済措置とか無いのか？」

　〈ｗｗｗｗｗ〉

　〈このシリーズって、鬼畜ゲーだったっけ？ｗｗ〉

　〈とことん運が悪いのなんなんｗｗｗ〉

　〈ちゃっかり、通報して荒らしプレイヤー排除してるの奈落パネェ！ｗｗ〉

　〈あの兵士、噛ませ犬過ぎるｗｗｗ〉

　〈これを見て、このゲームやりたい奴って居るのかな？〉

　〈『このコメントは削除されました』〉

　『ダークブレイズ』〈クソ奈落！！てめぇのせいで、俺のアカウント削除されたざねぇか！！！弁償しろ！！弁償！！！〉

　『ダークブレイズ』〈『このコメントは削除されました』〉

　〈これ、もしかして詰んだ？ｗｗ〉

　『ダークブレイズ』〈ＯねＯねＯねＯねＯねＯねＯねＯねＯねＯねＯねＯねＯねＯね〉

　〈本人キタコレ！！〉

　〈草〉

　「フッ、取り敢えず、今回の配信はここまでにしましょうか。このまま続けても、何とかお金を集めて武器を取り返すだけで終わりそうですし、今度は腹一さんを加えてやってみても面白そうですしね。」

　「了解！どうせなら、あの野郎を一発殴れたら良かったんだけどな！まぁ、今度や今度！それじゃあ、お疲れ！！」

　「あっ、バイ奈落～。」

　翌日、この配信を悪意満載で切り抜かれた動画が挙がり、俺達は炎上する一歩手前にまで追い詰められた。

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