第126話 同期交流
午後2時
「久しぶりに雑談配信をしてみましたけど、結構スムーズに出来ましたね。それじゃあ、お疲れ様でした。」
〈乙~~〉
〈おいおい、そう言うのは、配信終わりに言うもんじゃないのか?www〉
〈お疲れ様!〉
〈コメント欄が普通なのも久しぶりだったな!〉
〈これだよこれ!!voltexは相変わらず上手くはなかったけどな!wwww〉
〈皆!!この後に始まる、残 業の『バガザの伝説』シリーズも見ようぜ!!〉
〈『配信者ラインクラフトバトル』の予選もあるぞ!!〉
〈宣伝かよ!www〉
〈これから仕事なんて嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!〉
今日が日曜日と言う事もあって、珍しく日が出ている内から配信をしてみた結果、8000人程の人が集まってくれた。勿論、配信内容はクリーンな『雑談voltex』で収めたけど、以外にもリピーターが居たんだな。
椅子から立ち上がり、軽くストレッチをしながら、高太郎さんからの報告であった『同期間での交流問題』について考える。まぁ、問題と言ってもそれほど大きなものでは無いとは言っていたが、後々に響くかもしれないからな。
今回、全体会議で挙がったらしいこの問題は、俺達一期生がデビューしてからお互いに距離を置いていると、社内から見られたことが原因だ。実際、嬢ノ内さんや緒恋さんなどは分からないが、確かに城東さんと腹一さんとの会話が無くなった気がする。
これに対して、『まだデビューしたばかりで忙しいからしょうがないのでは?』と言う意見が挙がったが、世間から見れば俺達一期生は問題児集団だ。そいつらの間で問題が起こっているのでは?と考えてしまうのも無理はない。
俺としては、コミュニケーションがそもそも苦手・嫌いな為、そこまで考えていなかったが、城東さんが一週間の内、二回しか配信せず、ほぼ毎日何処かへ出掛けていると言う報告が出たり、筆記さんが部屋から一歩も出ずに何かをしていて、それを心配した嬢ノ内さんが、『一緒に食事にでも行かない?』と誘った時に、少々口論になっていたと言う報告もある。
「元々、問題を抱えている人達が集まった集団だからなぁ。俺だって出来る事なら一日中部屋で配信をしていたいし。コメント欄が正常であるのなら。」
この手の問題を解決するなら、お互いに正直な気持ちを話すか、そう言う場を設けられれば良いのだろうけど、そんなのハードルが高過ぎる。
味方を作ろうと考えて一番に思いついたのは、腹一さんだったが、あの人もあの人で闇が多い、次に浮かんだ城東さんも、何やら問題が現在進行形で起きているようだし、どうしたものか。後、高太郎さんにはメールで『僅かでも良いので給料アップお願いします』って送っとかないとな。こんなの時間外労働に含まれるだろうし。
「ふぅぅ、ただ考えてても埒が明かないか。」
俺は、テーブルの上にある財布とスマホを、上着のポケットに突っ込み、コンビニに向かった。
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