第85話 敵だらけ
午前11時
世界で一番無駄な過ごした日から二日後。
今日も伸二さんと、これからの行動について相談している。
「まず、発見された証拠品には、しっかりと犯人と思われる者の指紋が付着していた。念の為、犯人の名前は伏せるが、警察に依頼して犯人の自宅に向かって貰ったんだが・・・。」
一息置いて、伸二さんは悔しそうな表情を隠さず話し始めた。
「・・警察官が家に入った時には、既に亡くなっていたらしい。警察が言うには、他殺の方針で調べているようだが、生憎まだ犯人が見つかっていない。」
「他殺の方針って、自殺の場合も考えられるんですか?」
「ああ、遺体は首を吊った状態で見つかった為、警察も最初は自殺だと考えたらしい。だが、部屋の中が途轍もなく荒れていてな?普通、自殺するだけなら部屋を荒らす必要が無いだろ?その他にも、台所に使い終わった食器が二人分置いてあったり、窓ガラスが一部割れている部分があったり、不可解な場所がいくつか発見されたから、他殺の方針で調べてるって訳だ。」
なるほどな。その人を殺した人物は、証拠隠滅にまで頭が回るほど冷静では無かったのか。これが、殺人に慣れている人だったらヤバかったな。日本に人を殺したことがある人が何人居るか分からんけど。
「それで、亡くなった被疑者の仕事なんだが、大手観光会社に勤めていたらしい。約1年前にクビになったようだがな。」
「観光会社・・。ちなみに会社名は?」
「えーと、舞波田コーポレーションだな。ここの会社は観光サービスだけでなく、自社で土地を購入して、アミューズメントパークやホテルなども建てているそうだ。特に、現社長の
土地の購入ねぇ。なんか嫌な予感がするな。あのクズ共から、土地の購入を打診してきた企業の名前、聞いておけば良かったな。
「この間、親戚の奴等が面談に来たんですけど、その時に『両親の実家の土地を売ってくれ!!』言われたんですけど、関係あります?」
「もしかして、俊隆の方にも来たのか?実はな、俺の方にも建設会社から電話があってな?俊隆の後見人になったから、財産管理の点で当てにしていたんだろう。『土地を有効活用しませんか?』みたいな電話が何回も来たんだわ。流石におかしいと思って調べてみたら、舞波田コーポレーションの下請け企業だったんだ!」
伸二さんの御蔭で、気を付けなければいけない相手がよく分かった。
親戚のクズ共(特にクズ家族)、一部警察官・検察官、舞波田コーポレーション一味、他にも居るんだろうな。と言うか、多いなっ。
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