第15話②

 私はりゅー君の家でご飯をいただいてから無機質な自分の家に戻ってきました。そこで早速私は今日一日でもらったものを飾りました。


 「…うん!ばっちり!」


 私は帰宅途中に買った額縁にりゅー君からもらった(注、あげてない)ハンカチをそっと入れました。そして、一緒に買った新品のハンカチをあたかも使った後のように洗濯機に入れました。


 その後にりゅー君が取ってくれたネコのヌイグルミを枕元に置きました。綺麗なまま残しておきたいけど、思いっきり抱きしめて眠りたいです。少しの間悩んでいた私は保存することを選びました。ヌイグルミよりもりゅー君との約束の方が大切です。いつか二つのヌイグルミを並べたときに私の方だけよれよれなのはイヤです。


 「…これで、よし!」


 私はヌイグルミを少し離れたところに移動させました。そのままベッドに横になると、それはまるでりゅー君が私の方を見つめているみたいで恥ずかしくなりました。なので私はネコのヌイグルミをひっくり返しました。


 こうして、何もなかったはずの殺風景な部屋にりゅー君との素敵な思い出が増えました。そんな新しい部屋に満足した私は幸せな気持ちのまま眠りにつきました。

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