第15話 衝撃的な事実

 遅くなりましたが、フォロワー10000人&☆4000ありがとうございます(≧∀≦)

————————————————————————


「《雷電》」


 俺の全身から雷が飛び出し、一目散に転生者の下へ雷鳴を轟かせながら駆ける。

 普通にストーリーの後半でも通用するレベルの魔法だが———突如、奴の目の前でかの様に全ての雷が消失した。


「……っ、何だ……?」


 俺は試しにもう1度同じ魔法で奴を攻撃してみる。  


 しかし———結果は同じ。

 奴の目の前で何故か消滅する。


『……爺さん、アレは魔法か……?』

『…………どうしてが人間の手にあるのじゃ……?』


 爺さんが言っているのは……恐らく禁忌目録アカシックレコードのことだろう。

 アレは人間が手にしていいものではない。


 ゲームで主人公と契約していた精霊王でさえ、『1度見たことがあるだけ』と言って驚いていた。

 そんなのを持っている事を知ればそりゃ驚きもするだろうな。


『爺さん、禁忌目録アカシックレコードの事は後で奴に訊くから、取り敢えずあの魔法が消滅した理由を教えてくれ』

『そう、じゃな……アレは禁忌目録アカシックレコードの能力の1つ———《事象改変》じゃ。自分の目に入る、又は原理を完全に理解しておればそもそもなかったかの様にこの世から消せるのじゃ』

『チッ……それは面倒だな……』

『その代わり物理攻撃には対応できんぞ』

『ナイス情報だ爺さん!』


 俺は相手に悟られない様、何の構えも無しに一気にトップスピードまで加速し———

 

「疾———ッ!!」

「っ!?」


 鳩尾目掛けて拳を振り抜く。

 今度は奴が驚く番で、全く反応出来ずに吹き飛ばされた。

 しかし直ぐに空中で体勢を整えた奴は、俺でも驚くほどの超速で此方に戻ってくる。


「此処まで強い奴がこの時点でいる筈がない……何者だお前?」

「それはコッチの台詞だ……!」


 俺は奴の拳を受け流し、即座に反撃の裏拳を決める。

 すると、奴は戦いに慣れていないのか、俺の裏拳を不格好なガードで受け止めた。

 そのため俺の力に耐え切れず宙に体が浮き、その隙を狙って俺は奴の足を掴んで地面に叩き付ける。


「がはっ———!?」


 俺は追撃とばかりに蹴り上げようとするが———流石に避けられてしまった。

 奴は鼻血を噴き出しながら俺を睨み、とんでもない驚きの爆弾発言を投下した。



「思い出したぞ……お前、何故こんな所に居るんだッ! お前は———シンは俺が殺したはずだぞッ!!」



「…………は?」


 俺は奴の思わぬ言葉にその動きを止めて呆然としてしまった。

 そんな俺の姿を見ながら、奴は何故か地団駄を踏む。


「くそッ……雷の神霊との契約に絶対に邪魔になるからと殺したのに……」

『儂との契約の為じゃと? それで何故シンが殺されなければならないのじゃ?』

『……俺が爺さん、アンタの唯一の適性者だからだ』

『ふむ……まぁ儂自身、お主以外と契約する事はないじゃろうな』


 成程な……確かにそれなら殺す動機にはなるかも知れないな……だが、1つ疑問がある。

 

「———お前、どうやってシンを殺したんだ……?」


 今の奴の実力だと、とてもじゃないが俺を殺すことなど不可能だ。

 それに元のシンは間違いなく俺より強い。

 今の俺は爺さんと言う神霊が居て、魔力が半ば無限にあるから強いのであって、原作のシンの格闘センスと野生の勘には絶対に敵わないどころか足元にも及ばないだろう。


 それなのに俺が本気を出すまでもなく優勢に進めれている奴が何故殺せたのか。


「お前にはとてもじゃないがシンは殺せないだろ」

「…………何?」

「俺よりも原作の方が強い。同じゲームをやっていた転生者なら分かっているはずだが?」


 それにシンの動きは幾らゲームをやっていたとて、追い付ける速度ではない。

 雷の攻撃を避けれるわけないだろ。

 

「ああ、そのことか。そんなの簡単だ。実演してやろう———《魔力不可侵領域》」

  

 瞬間———俺の体を構成していた雷が消失し、《雷人》状態も俺の意思に関係なく解除される。

 更には魔力を練ろうにも、魔力がそもそも感じれない。


「どうだ? 俺のとっておきの魔法は? だがこれだけじゃないぞ? 更に凄いのが———俺は魔力が使えることだ」

  

 瞬間、奴は音速を遥かに超えた速度で俺に接近する。

 俺は持ち前の身体能力の高さを生かし、ほぼ勘でその場を飛び退く。

 するとスレスレで目の前を奴の足が通った。


「チッ……外れたか……だが、苦しそうだな?」

「ぐ……五月蝿い……ッ!!」


 俺はその場で地面に手をつき、奴から離れるべく後方へ飛ぶ。

 しかし魔力があるのと無いのとでは差が著しく、一瞬で追いつかれ、更には蹴りが飛んで来る。

 俺はギリギリ蹴りが俺の体に到達する前に腕をクロスさせて防御する———が、今度は俺が吹き飛ばされてしまった。


「くそッ……どうしたら……」


 しかも魔力を遮断されているせいで爺さんとも会話が出来ないのがマジで痛い。


 俺が何も出来ない現状に歯噛みしていると、奴が突然腕に付けた腕時計な物を確認し始めた。


「そろそろか……」

「ぐ……な、何がそろそろなんだ……?」


 俺はズキズキと痛む腕を我慢して気にしない様にしながら問い掛ける。

 すると奴はニヤリと笑った。


「気になるか? ならもう少し待てば自ずと分かる」


 その不気味な言葉にが懐疑的な視線を奴に向けていると———突如森の中腹辺りから爆発音と共に爆煙が上がる。

 更にそれだけでなく、他の至る所で同じ様な爆発と共に、生徒達の悲鳴が聞こえてきた。


「———まさか」

「———お前の考える通りだ。今、生徒達は精霊と悪魔が狂った様に暴走しているのに困惑しているだろうな? さて———俺の仕事はこれで終わりだ。俺は此処ら辺で退散しよう」

「ま、待て———」


 俺は急いで襲い掛かるが、俺が届く前に転移か何かで逃げられてしまう。

 それと同時に魔力が戻った。


「くそッ……いや、まずはアイツよりヘラの安否確認からだな」


 俺は一旦奴を追うのを諦め、ヘラの下に急いだ。



「頼む———どうか無事で居てくれ……!」



————————————————————————

 現在、作者が力尽きるまで1日2話投稿をしています。

 なので、頑張って欲しい、ヘラ可愛いなど思って下されば、☆☆☆とフォロー宜しくお願いします!

 作者の執筆の原動力となりますので! 

    

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る