経験者採用で自衛隊に入隊する道

みかん

経験者採用で自衛隊に入隊する道

 自衛隊採用募集ページを見ていると中核戦力となる現役入隊向け情報がメインになります。幹部候補生や防衛大学校、一般幹部候補生、自衛官候補生などおよそ18〜30歳が対象となる年齢制限があります。しかし、この年齢制限を超えて自衛隊に興味が出てくる、一度退職したけれどやっぱり自衛隊で勤務したいという人もいるかも知れません。最近、個人的にも興味が出てきたため調べてみました。


 結論として自衛隊にもいわゆる経験者採用(以降、経験者採用と呼称します。)という制度があり、条件さえクリアしてしまえば年齢制限を超えて自衛官になることができます。ただし、そこには経験者という言葉があるように資格や経験が必要となります。ここでは令和5年1月現在で自衛隊募集ページにて掲載されている経験者採用の枠について語っていきます。


 まず1つ目の経験者採用枠は医科歯科幹部です。この枠は候補生として採用されるわけではなく採用後(任官後)すぐに幹部となります。任官後の階級は2等◯尉から1等◯佐までかなり幅広いです。また、入隊後はすぐに部隊に配属されるわけではなく陸自は衛生学校、海自空自は候補生学校に入校することになります。2尉1尉くらいまでであれば良いかもしれませんが、3佐以上の階級で入隊した場合教官たちはすごくやりにくいでしょうね。なお、受験資格として年齢制限はありません。その代わりと言ってはなんですが、医師免許または歯科医師免許を取得している必要があり専門医取得(医科)、経験年数もしくは30歳以上(歯科)とされています。詳細は採用要項を確認しましょう。


 2つ目の枠は技術海上航空幹部です。まさかの陸自がないです。理由はわかりません。医科歯科幹部と同様、採用後は幹部待遇となります。採用後の階級は海自で3尉から3佐、空自で2尉から3佐です。入隊後約2か月それぞれの幹部候補生学校にて教育が行われます。採用枠は多岐にわたり令和4年度の採用要綱を確認すると海自は「情報通信、語学、技術情報分析、人工知能、心理、薬剤、施設」、空自は「宇宙、宇宙(情報)、気象、情報通信、衛生(看護)、技術」とされており、指定の専攻学科を卒業しその他の条件(業務年数など)を満たすことが応募資格となっています。個人的には応募資格のハードルは海自の施設です。ただしこれは令和4年度になりますので今後どの採用枠で募集がかかるかは未知数です。私が候補生の時の教官はこの技術幹部枠の体育で入ったと聞きました。


 最後の枠は技術海曹空曹です。この枠は技術幹部のまんま曹版と思ってもらえれば良いと思います。応募資格はそれぞれ20歳以上とされており所持する資格によっては採用時に3曹から1曹(海自は海曹長)まで階級が上がります。イメージとしては幹部は採用枠に対応した資格や経験を有することが必要で、曹は枠に関係なく必要な資格があれば良いという感じでしょうか。曹の方がハードルが低そうですが資格によっては気象予報士など難しい資格もあるので難関と言えるのではないでしょうか。


 色々調べていて思ったのが技術海上幹部の施設枠に興味があります。が、元海上自衛官の身として全国転勤の可能性がある以上受験しようとはあまり思わないのが正直なところです。そこをなんとかできれば人手不足解消もできるかもしれないでしょうがそう甘くは無いのでしょうね。

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