鳳凰院富士美のふしぎな日常
機代 神(Kishiro Jin)
第1話 ふしぎなお嬢様
どこにでもある普通のお嬢様学校です。
私は今年このマガジョに入学した
''あのお方''と出逢うまでは……
今ちょうど校門前にリムジンが停まり、とても美しいお嬢様が降りてきました。
この方こそが私と同じく今年入学した、この都立高天原女学院きってのスーパーリッチウルトラビューティーお嬢様、
「皆様ごきげんよう、本日もいいお天気ですわね!」
と元気よく挨拶する富士美様、そして今まで普通に歩いていた他の子達も富士美様の方を向き
「ごきげんよう、富士美様」と礼をする。
あぁ、今日も
執事の敷いたレッドカーペットの上を歩く富士美様、美しい…まるで背中に翼が生えているかのよう……
……ん?
……生えてる。
どう見ても富士美様のお背中から何か生えている。
アレは……矢!?矢が刺さっていらっしゃる!?なぜ平然としているの!?そしてなぜこの令和の時代に矢!?
私の頭は混乱状態だ。目の前の状況に整理が付けられない。だが、このお嬢様は次々にたたみ掛けてくる。
レッドカーペットにつまづいた富士美様、手もつかずに階段の段差に勢いよく頭を打ち付けた。そして次の瞬間、
一瞬立ち尽くしてしまったがハッとなって私は
「富士美様!!」と叫び駆け寄った。
富士美様の執事と共に
「大丈夫ですわ、ありがとうございます」と言う……。
いや血だらけですけれど!?どこも大丈夫じゃなさそうですけれどぉ!?
という心配も裏腹に富士美様はむくりと立ち上がり私に向かってこう言う。
「ワタクシ、フジミなんですの」
……?
「えぇ、富士美様のお名前は存じておりますが……」理解が及ばずお名前を名乗ったのだと勘違いしてしまった。
富士美様は頬を膨らませて
「違います!不・死・身!!ワタクシは死なない身体なのです!!」と言った。
「あぁ〜不死身!そういう事ですか!……いやどういう事ですか!?」理解を示したかったが思わずツッこんでしまった。
富士美様はそんな私の疑問をガン無視して
「貴女、お名前は?」と聞いてきた。質問に答えて欲しかったが、怖かったので素直に「天上楽です……」と答えた。
「ワタクシ、貴女とお友達になりたいですわ!」
「アッ、喜んで……」と反射で答える私。
ここから、当初予定していた優雅なお嬢様学校ライフからかけ離れた不死身のお嬢様に巻き込まれる不思議……もとい、ドタバタ不死議ライフを送ることになったのは言うまでもない……。
鳳凰院富士美のふしぎな日常 機代 神(Kishiro Jin) @DeusExMachina2000
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