水魔法の使い方!~カイナの異世界無双記
@shyna
第1話 謎の声との対話
[思い出したかい?]
そんな声がこの空間に響く。
「はい。僕はトラックに…」
[そのとおり。飲み込みが早くて助かるよ]
僕は気がつくと、この何も無い空間にいた。
謎の声いわく、僕は現世で死に、ここに呼び出されたらしい。
[そうだね。なんで呼び出したかなんだけど、君には僕の作った世界に行ってもらいたくてね]
どうやらこの謎の声はいわゆる神とか言われる存在であるようだ。
考えを読んできているのもそういうことなのだろう。
[概ねそれであっているよ。
さて、君には、その世界で好きなように過ごしてもらう。そうして、僕の世界に変革を起こして欲しいんだ。
僕の世界、まあアステラとでもしておこう。
それなんだが、僕がなんのノウハウもない時に作ったものでね、文化が全然発展しなかったんだよ。まあ地球の中世くらいだね。
最初は消そうか迷っていたんだが、色々あってね、発展させたくなったんだ]
なるほど。つまりもったいないから新しい知識を加えようというわけだ。でもそれなら疑問がのこる。
「なんで僕なんですか?もっと賢い人とか、
強い人とかがいたと思います。
なんなら、あなたが行けばいいのではないでしょうか?」
[それは僕の思し召しと言うやつだよ。
アステラにはね、魔法があるんだよ。
この魔法を上手く使える人が強い、そういうふうに世界のルールができ始めていてね。
使うには普段から魔法について考えている人がちょうどいいんだ。
そうなると、地球では大抵中学生か高校生になるんだよね]
それってつまり厨二病ってことか。
じゃあ僕はこの謎の神に世界で1番厨二病だと判断されたということになるじゃないか。
[そうだね]
恥ずかしい。それのおかげで異世界に行けるはずなのに、あまり嬉しくない。
[まあそれだけじゃなくて、そんな人の中では
アステラに一番適合しそうな人間だったからというのもあるよ]
よかった。お前には厨二病以外特徴がないだなどと言われれば本当に泣いていたかもしれない。
[僕は他の世界もあるからひとつの世界に手を出しすぎてるのは良くないんだ。
という訳で君に決めたんだよ。
まあ、そもそも拒否権は無いんだけどね]
「分かりました。元々拒否する気はありませんでしたから」
[ありがとう。じゃあその心意気に免じて、新しい君の家族をある程度優遇したところにしてあげる。
そうだな…アステラで最も栄えている国、オルスタルの…これだね。辺境伯のヴァハトゥン家。
生まれないはずだったけども、ここの次男にするよ]
「ありがとうございます」
[そうだ、ちょっとしたお節介をしようかな。
自分の能力を見ることが出来る力をあげよう。いわゆるステータスだけど、これに書かれている能力は自分が今出来ることに名前をつけているだけだから。
例えば君が目利きができるならステータスに【目利き】とつくよ。
ちなみに君が魔法を考えついたらそれに名前をつけて書くようになっているよ。
あと君自身の能力値も書かれているよ]
すごい能力だ。これが向こうでもあればモチベーションが上がっただろうなぁ。
[それじゃ早速転生するかい?]
「はい。お願いします」
[それじゃ、楽しんできてね]
その声と同時に僕の意識は落ちた。
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