「どうしても別れるっていうのなら童貞だけでも貰っていくね♡」別れたことで本格的に始まった僕らの泥沼ダークラブコメ
ALC
第一章 ヒロイン紹介パート
第1話別れてからが始まり
初めての恋人ができて数ヶ月。
何かが違うと感じていた僕は、お家デートの日に彼女へ別れを告げることを決める。
「ごめん。何かが違うんだ。別れて欲しい」
どうしようもなく正直な想いを口に出すと彼女は少しだけ悩んだ表情を浮かべると一言。
「うーん。どうしても別れるっていうのなら童貞だけでも貰っていくね♡」
同じ会社の一つ上の先輩である彼女。
抵抗虚しく僕はそのまま初めてを奪われてしまう。
行為が終わったところで水色は何かに悩んだような表情を浮かべていた。
何か不満げなようで何処か満足しているような複雑な表情に映った。
「うーん。やっぱり無理かも…」
水色は意味深な一言を残してシャワーを浴びに向う。
そのスキに僕は服を着て彼女の家を後にする。
ということで僕は童貞を奪われてしまったが初めての彼女と別れを済ますことが出来たのであった。
………そう思っていた。
そう思っていたのは僕だけだったようで…。
次の日、職場に向うと彼女は少しだけ怪しげな雰囲気を醸し出しつつ挨拶を交わす。
その後、スマホに通知が届く。
「仕事終わったら話せる?」
その通知に既読を着けるのだが何の返事もせずに僕は仕事に励むのであった。
仕事を終えて職場から出ると水色は僕を待ち構えていた。
「なんで返事くれないの?葵くん」
それが僕の名前。
「いや…僕らは別れたし…」
僕の話をまともに聞く気のない水色はゆっくりと首を左右に振った。
「別れてないよ」
「は…?別れたよ…?」
それでも水色は先程と同じように首を左右に振るだけ。
少しだけ気味が悪くて、その場から離れていこうとするのだが…。
水色は僕の手を引くと無理やりに壁に追いやる。
女性にも負けてしまうほどの非力な草食男性である僕は女性に壁ドンされてしまう。
「逃げられると思ってるの?」
その脅迫のような狂気に満ちた恐怖の言葉が耳を汚染していくのだが…。
………どこか気分がいい。
………気持ちがいい。
………悪くない。
その快楽に身を任せてしまいたくなる。
水色は右手で僕の顎に手を添えるとそのまま唇を奪っていく。
僕の唇を貪る様にキスをする彼女は妖しい微笑みだけを残して次第にその場を離れていく。
ゴクリと生唾を飲み込むとスマホに通知が届いた。
「絶対に離れないから。それと…絶対に離さないから」
脅迫にも似た文章を目にすると一つ嘆息して帰路に着くのであった。
これから僕こと佐川葵と一度別れたはずの恋人、涼森水色を中心にした大人のダークラブコメは始まろうとしていた。
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