死にゆく私へ ~ノブレス・オブリージュ~ 4
そしてクリマ水晶の画面が切り替わり、3人の貴族令息が拘束されて跪いている。
今度は、ミーナが顔色を変えて小刻みに震える。
「彼らは皆、男爵令嬢であるミーナ嬢と頻繁に身体の関係をお持ちだそうです。ミーナ嬢が身籠っていたとして、はたして誰の子か?そして、王族に対する不敬罪なのですが・・・ミーナ嬢の腹の子が王太子の御子であると、どう証明なされるつもりでしょうか?」
野次馬となっている、噂好きの貴族達がヒソヒソと話しを始めた。男爵令嬢への中傷の言葉だろう。
私は知っている。メリッサにも同じ様に中傷の言葉を投げかけていた貴様達も許しはしない。
「ミーナ、どう言う事だ?」エロールは、絡め取られていた腕を引き離しミーナに詰め寄った。
エロールは顔を歪めて怒りを露わにし、ミーナは俯いて首を振っている。
クロードは、追い打ちをかける様に言う。
「誰の子かも分からないようなら、メリッサ嬢の罪とは一体何ですか?王族への不敬罪とは、王太子の御子に対してですよね?」
そして溜息を大きく付きながら
「愚かな王太子殿下・・・そもそも男爵令嬢ごときに、王太子妃が務まるとでも思っているのですか?」
クロードはゆっくりと首を回し、国王の方へ目を向けた。
「報告は以上です。国王陛下は、どう思われますか?」
「メリッサ嬢は、立派な王太子妃になったであろうが・・・死罪の判決を下したのは他でもないクロード、そなたではないか。」
クロードは目と伏せて一呼吸ついて言った。
「では、わたしが判決を下した理由を申し上げます。」
クロードは便箋を取り出し、読み始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます