序之五
家康は目を覚ました。
目の前は真っ暗であった。
深い闇の中で、心臓がばく、ばく、ばく、と、激しい音を立てる。
冷や汗をかき、寝覚めは良くなかった。
しかし、頭はいつになくはっきりとしていた。
布団を
ここは……二条城の
頭はぐらぐらと
……が、特に何をするでもなく、その吐き気はすぐに収まった。
神経が徐々に回復してゆくのを感じ取る。霧が晴れていくかのように脳内が鮮明になり始めると、同時に家康は、今までの記憶をすばやく
二日前────
家康の
闇夜の中でじっくりと、家康は先日の
顔や姿は決して似てはおらぬが、そういえばあの陰陽師も、秀頼に通ずるただならぬ雰囲気を
そして、その息子も、また……────。
しばらく
その鈴を二、三回程ちりちりと小さく揺り鳴らすと、やがて一人の家臣が、家康の
低く
「……
“
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