第9話 世界の希望

荷車に乗って神父と共にミネルヴァ達の元へ急ぐリンデロイ


森の奥へ急ぐが…


「あれ?どっちだったっけ?」


鬱蒼とする森の中方向を見失った


すると小鳥や動物達がこっちだよとリンデロイ達を導いてくれた



そして森の奥…ミネルヴァ達が居る場所へ辿り着いた



ミネルヴァを見た神父は驚きの声を上げた



「これは酷い傷だねぇ…一体何があったのかね?」


神父は優しく問いかけた



『私はエアウィング王国の王妃ミネルヴァです…国が魔物達に襲われて城は陥落しました…。私の夫のロヴェルト王も混乱の中亡くなったようです…。私は双子の王子と王女と幼い騎士と拳闘士の卵である幼子そしてシスター見習いの少女を連れて逃げるのがやっとでした…。』


ミネルヴァは神父に事情を説明した


「何と…エアウィング王国が襲われたのは伝説の双子の王子と王女が産まれたからなのですね…。ミネルヴァ王妃様の事は聞き及んでおります。ドラゴニール族の王女だった事も知っております。どうやら世界が大変な事になりつつあるようですね…。」


神父は事の重要性を認識した様子だった



その傍でリンデロイは何やら考え深げな表情をしていた



その様子に気づいた神父が声をかけた



「大丈夫ですかリンデロイ?顔色が優れないようですが…。」



「大丈夫です…それよりもこの子供達を保護しなけばなりませんね。」



それを聞いたミネルヴァは神父とリンデロイにこう告げた



『この子達はこの世界の希望です…どうか悪しき者達から守ってくれませんか?私の事は気にしないで…力を使い過ぎただけですので回復したら私の母国であるキングナーガ城へ向かいます…どうかこの子達を宜しくお願いします』



「…わかりました…承りました。」



神父とリンデロイは子供達を荷車に乗せて教会へと急いだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る