馬、サイバー犯罪、壺の中




「よし、今日もホワイトハウスにサイバー攻撃でも仕掛けるか、まあ暇潰しにはなるだろ」



ピンポーン



「何だ...? そういえばさっきピザを頼んだったな、先に腹ごしらえと行くか」





◇◇◇





「ああ!どうも〜ウーバーです!商品のお届けに来ました〜!」


「代金は?」


「55万円になります!」


「55万!? たかがピザでそんなにするわけ無いだろ!?」


「ピザ...? お客さん何か勘違いされていませんか?」


「何言ってるんだあんたUberEATSなんだろ?」


「いえ違いますよ、ウチはウーバーイーツボです」


「ウーバーイーツボ!?」


「ええ、今回お届けに上がった商品はこちらの新作のツボです!」


「でっか! 何だこの人が一人入れそうな壺!! こんなでかいの誰が買うんだよ!」


「お客様が」


「買うわけ無いだろ!! うちには足りてるからもう帰ってくれ、つーかこんなんもう壺じゃなくて樽だろ!」


「まあまあ落ち着いて下さい、どうせお客様暇ですよね?」


「失礼過ぎるだろ! どの面下げてお客様とか呼んでんだよ!」


「よく馬面って言われます、えへ」


「馬鹿面だよテメーはよ!!」


「そうだこの壺ですが、馬が蹴っても傷一つつかないんですよ」


「要らねえ耐久性だな」


「殴られたら一溜りもないですよ、試してみましょうか」


「うをおおおい!振り被ろうとするな!!あとよくそれ持ち上げられるな!?」


「ああ、すいません、じゃあ下ろしますね」


ゴッ!!


パキッ


「おい、今欠けた音したよな?」


「してないです」


「絶対したよな」


「でこちらの壺、何と総容量が400Lになります!」


「バスタブの話してる? 明らかに壺の容量じゃないよな」


「まあ少し匠の方が手を凝りすぎたらしいんですよね」


「へ〜、有名な人なのか?」


「ええ、この間ニュースとかに出てましたよ」


「そんなにこの壺凄いのか...」


「確か盗撮で」


「犯罪者じゃねぇか!! 悪名で有名になったって何の意味も無いだろ!」



ピー!!ピー!!



「ッ!!まずいこの音は!!」


「あっちょっとお客様どこに行くんですか!?」


「おい何で家入ってくるんだ、ついてくんな!!」


「まだセールストークは終わってませんよ!!」


「おいぃぃいいい!!壺が壁に当たって壁が破壊されてるからそれ置け!! やっぱ無駄な耐久力じゃねえか!!」


「さっきから何ですかこの音!? うるさいんですけど!!」


「一番うるせーのはお前だ馬鹿野郎!!」




◇◇◇




「くそッ! やっぱりハッキングされてる...どうする、時間がねえ...今すぐブロックしねえと...!」


「ハッキングされてるんですか? うわ〜凄いですねこの文字列」


「何なんだお前の野次馬根性!? もうそこいていいから邪魔だけはすんなよ!!」


「で、この壺の最大の売り文句何ですけど」


「? 何か画面が暗く...え、何で壺振り上げて───うをおおああああああああぁぁ!!!」



カポッ



「こうやって壺の中に電子機器を入れると、ハッキングから防げる事です」


「───は...? あ、ホントだ止まってる...」


「で、どうです今なら何と55万円の所、端数繰り上げて100万円!」


「低くしろよ!!買うけどさあ!!」



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