第40話 寄り道だらけの山登り
私はなぜリサさんと山を登ろうと思ったのだろうか。
「見て!これ調合すればすごく使える薬草よ!この草の葉っぱは一枚だけとてつもない効果を持つ葉っぱがあってね本当になんにでも使えるのよ。あ、こっちには毒草があるわ!これはさっきの薬草みたいなやつだけど全く相反する効果になっていて1枚だけ最大HPの99%を減らす毒草なのよね。せっかくだから採取しておきましょう。はい、これあげるから今度あなたのお友達に会ったときはこれで遊ぶといいわ。」
「え、めっちゃおもしろそう。今度みんなにいたずらして回ろう。⋯⋯じゃなくて!」
ぜんっぜん進まない!いやまあ草なんて気にしたことないから最初の方は新鮮でそれなりに楽しめたけど30も40も説明されてたらわけわからん!無理!頭がパーになる!というかそんなに種類あったんだ。それに一番驚いてるよ。
「あら、今のでここで採れる植物は一通り見つけたようね。なら薬草類は無視しましょう。レッツゴーリブラ!早く山頂に上りましょー!」
「い、いえ~い!」
この人まったく疲れてないのすごいな。どんな体力してんだ?
「へいリブラ!カモーン!こっち来て。面白そうなのがあるよ!」
「金銀財宝だって?すぐ行く!」
「それはわからないけれどきっと何かあるはずよ!ほら、ここみて!」
「?どこ?別に何の違いも分かんないけどシャベルなんて持ってないよ?」
何にもないけどもしかしてここ掘れわんわん的なあれかな。匂う、匂うぞ~!まったくわからんけど。
「シャベルは私が持ってるから大丈夫。それより本当に分からない?ここをよ~く見てみるとわかるわ。」
よく見るとわかるって。う~~~ん。うん?若干掘った跡があるような?
「ちょっと掘られてる感じがするけど他のプレイヤーが掘ったりしたとかじゃないの?」
「私たちが地面を掘ったりしても時間が経てば完璧に元に戻るから違うわ。それと……ここね。この木は偽物ね。ほら、ボタンを発見。さあ、この奥を調べましょう。」
???謎解くの早くない?え、こわ。偽物の木とかわからんて。私まだ地面のちょっとした違和感に気づいただけだよ?
「なにしてるのリブラ?早く来ないと財宝は私のものになるわよ。」
「それは困る!ちょっと待って~!」
*****
「思ったより広い通路だけれど残念ながら私は武器の特性上戦えそうにないから戦闘は任せるわ。」
「ほ~い。そういやリサさんってどんな武器使うの?」
「私?これよ。このピッケル。戦闘用に作ったものだけれどちゃんと採掘にも役に立つ優れものよ。」
「お、おう。なかなか珍しい武器使ってますね。」
「ほかのプレイヤーをみても私と同じ武器のプレイヤーは居なかったわ。といっても強さじゃなくて利便性を求めた結果だから仕方ないのよ。残念ながら今みたいな狭い道の洞窟では使えないけれどね。というわけで、目の前の敵は任せたわ。」
「わお。これまたよく見るゴブリンさんじゃないすか。それじゃあ早速『炎……」
「ストップ。残念ながら今『炎撃』を出すのは悪手よ。ステータスが下がってしまうわ。」
「え、まじ?」
「本当よ。洞窟内の酸素濃度の低下によるステータスの減少だと推測するわ。ちなみにゴブリンは初めの方の森」
「じゃあ普通に殴っちゃえ。えいや!うわっグロ。」
STR高めに上げてるせいか一撃で終わっちゃった。というか殴ったところ風穴空いてるの怖。私強すぎ。
「ナイス撲殺よリブラ!この調子で行きましょ〜!」
「ナイス撲殺!この調子で皆殺しだぜ!」
「この調子でどんどん進みましょう!」
「待ってリサさん!この狭い通路抜けたらなんか宝石いっぱいある!」
「Wow!それはグッドよリブラ!早速回しゅ⋯⋯って偽物だらけじゃない。これは罠ね。」
「うそぉ!罠なんてあるの!?」
「そうね。いくつか罠が仕掛けられているところには行ったことがあるけれど、ここのはまだ分かりやすくて助かったわ。」
「まじか。私全然分かんなかった。」
「私みたいにある程度技能や経験が身につけば直ぐに分かるようになるわ。」
「参考になるっす師匠!」
「気にしないで。それより先に進むわよ。罠がある以上この洞窟の道中のお宝は危険だわ。宝箱の中の毒なんて分かりっこないからね。名残惜しいけれどそういう類のものは無視してね。」
「ま、仕方ないか。了解。あ、待って足音聞こえる。」
「足音?⋯⋯うん。この感じ、複数体いるから分かりにくいけど四足歩行の動物の足音ね。敵じゃないかもしれないけれど少なくとも味方の可能性は0だからさっさと倒しましょう。」
「よっしゃ腕が鳴るぜ!オオカミなんて私の敵ではなーい!」
「頼もしいけれど、残念ながら敵はオオカミでは無いわ。鹿型、新種のモンスターね。気をつけて!」
「鹿だろうがなんだろうがぶっとばーす!覚悟!ってあれ?攻撃が当たんない?なんで!バグじゃん!」
「いえ、よく見てリブラ。このモンスター半透明よ。それに攻撃されたのに仕返しも何も来ない。ひとまずついて行ってみましょう。」
「鹿の幽霊とか怖いなー。」
*****
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212.匿名者
地下探検ずっとやってるんやが鹿の謎少しだけ分かったかもしれん。
217.匿名者
マジ?
218.匿名者
鹿ってなんですか?
220.匿名者
洞窟の中に居る攻撃してくることも、反撃してくることも、なにかプレイヤーを導くでもないただ徘徊しているだけのモンスター?的な奴のこと。鹿同士に判定はあるらしい。現時点で最も謎めいてるモンスターといっても過言ではない。
232.匿名者
詳しい説明ありがとう
それで鹿の謎についてなんだがまず分かったことは鹿がどこから現れてるかってことだ。ボスの鹿を観察してたんだがどうやらそいつが召喚してるみたいだ。周期はゲーム時間で1日1体ってところ。
239.匿名者
そのくらいならある程度予測してる人も居るんやないか?情報が確定するのはありがたいが少し弱すぎやしないか?
240.匿名者
まあ焦んなって。ほかの情報もある。
241.匿名者
次に鹿の集会のことだな。今日初めて見たから頻度については不明だがボスの部屋に召喚された鹿のすべてが集まって何かをしてるのを見た。そのくらいならここまで大きくするわけないんだが驚いたことにその集会の時、実態を持っている感じがあったんだよな。
242.匿名者
じゃああの鹿たちは倒せる敵ってことなのか?
243.匿名者
そういうことになるな。とりあえずほかに実態を持つ条件を探ってみる。ボス鹿についてもいろいろ知りたいから挑んだことのあるやつは連絡くれないか?
255.匿名者
役に立てるかは知らんが持ってるだけのことは話そう。
1、基本的に実態はないが攻撃してくる時だけむこうにも攻撃が当たるようになる。
2、デバフはほぼ効かない(毒、麻痺、減速)唯一効いたのは攻撃力ダウンだけ。しかも実態がないとデバフは成功しない。
3、自動回復を持ってそう。
鹿の攻撃方法だが基本的に角が光って多様な属性魔法を放つって感じ。
俺の時には火、水、土、木の4種類を使ってきたけど何種類あるかは不明。隠し玉としていくつかありそうだけど今日のスレ見る限り仲間の召喚はしてくると思ったほうがいい。
256.匿名者
情報提供ありがとう。いろいろと仮説も立てることができたから今からチャレンジしてくるよ。
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