番外編2 公開性羞恥


世の中の中学生にはある病にかかるだろう。圧倒的に男子に多いその病気には少ないながらも女子も患うことがある。そう、厨二病だ。


現在の称号は個人戦のベスト8に差し掛かっている途中。というか次が私の番。嫌だ、嫌すぎる。逃げ出したい!


最初の私たちの称号は後にでてきた称号よりも圧倒的にマシだったよ。慣れとはつくづく恐ろしい。才能の無駄使いを感じさせられる称号名も何十と出てきた。


「くそっ!あいつが運営にいるせいで逃げたらとんでもない黒歴史をぶち込んでくるに違いない!私のあれを知ってる人間か才能の無駄使い共、……後者だな。うん。あいつの思惑道理になってたまるか!」


「リブラちゃんどうしたのかな?」


「気にすんなどうせいつものだ。ほっとけほっとけ。しっかしただ見るだけになると案外面白いな!気が楽だ!」


「意外といい称号もあるよね。特に『黎明を照らす光アマテラス』とかいいね。かっこいい。」


「私は蘭さんの『赤薔薇』かな。なんでバラなのかは分からないけど蘭さんっぽくていい称号と思う!」


「灯ちゃんの『秋の訪れ』もぴったりすぎて羨ましいなぁ。何か手はないか?…………っは!自投票して称号をコントロールすればいいじゃん!天才来たぞ!ちょっといい感じの言ってくださいよ!」



「あ〜、たんぽぽでいいだろ。」


「花で行くなら僕はゴジアオイかな?」


「オンシジュームかな。花言葉が可憐だしリブラさんに似合うと思うよ!」


「美人だなんてそんな。それに加えて男子陣は……。たんぽぽは論外でしょ。でゴジアオイって何?」


「さあ?リブラさんにぴったりな花としか言えないな。ちなみにたんぽぽは別名でダンデライオンってのがあるからそっちにしてみれば?」


「ええやん!許す!それじゃあ自投票してく……あまって出来ないっぽい。……っけ!私の考えることはお見通しってわけか!じゃあいいや。それでゴジアオイってどんな花なん?気になる。」


「…………情熱的でとても強い花、かな。」


「ほーん。思ったよりいいじゃん。ちょっと間があったのが気になるけどね。」


「思い出してたんだよ。パって思いついたやつ言ったからね。」


「ふーん。まあ信じてやるか。あ、終わったみたい。じゃあ準備してきまーす。」


「リブラちゃん頑張ってね。」


「ありがとう!エルミーさんが唯一の救いだよ!頑張る!じゃ!」


「……行ったな。それで結局どんな意味なんだ?」


「花言葉には詳しくないんだけど植物界のサイコパスって言われてるくらいヤバい花だよ。特定の条件で自然発火して周りの植物を燃やし尽くして肥料にして成長するって感じだよ。」


「これ言ったら文句言われるのは確定だけどあながち間違いとも言えないのが残念だな。」


「2人ともからかうのはそのくらいにしようよ。リブラちゃん映ってるよ。」


「おっと本当だね。何になるのか楽しみだなぁ。」


*****


「さぁて!ベスト8の選手たちも終わりベスト4

の2人目〜!可愛い顔してえげつない戦い方をするリブラ選手だ〜!」


「……ど、どうも〜!」


「いやぁ、チーム戦での優勝、個人戦は惜しくも同じチームであるグリモワール選手に敗北してしまう結果とはなりましたが、それでもベスト4!おめでとうございます!」


「あ、ありがとうございます。」


「そんなに緊張しないで大丈夫ですよ。というわけで最初に私が聞きたいこと聞いてみましょうか!リブラさんは予選本戦と容赦ない攻撃をしてましたがそれ以上に身体能力の高さに驚かされました。何か運動はされてるんですか?」


「いえ、特には。でもゲームならなんでも出来るって思ってるからこそアクロバティックな動きができるんじゃないかなーっと。」


「なるほど!ゲームと割り切っているからこそできる動き!流石ですね!それじゃあ次の質問です!今回の大会はどうでしたか?」


「どう?この大会の感想ってことですか?」


「そう捉えていただいて問題ないです!」


「うーん。率直に言えば楽しかったですね。チームとしてでて仲も良かったと思いますし、1人でじゃなくてみんなでするゲームもやっぱり良いなって再認識出来ました!」


「いい話ですね。そう言って貰えて運営冥利に尽きます。じゃあ、称号決めますか。」


「うっ。わ、私は皆さんのことを信じてますからね。」


「はいとりあえず運営の方からの称号を出していきましょうか!『慈悲なき熾天使』『眠りの天秤』『窓際で微睡む姫君』」


「私の傷を抉ってきやがった!」


「ちなみに最後の『窓際で微睡む姫君』はある1人の運営の方からのとっても熱い熱意の上できております。」


「なんで覚えてんだよ!私の黒歴史なんて覚えてなくていいじゃん!というか2回も言うな!」


「あっはっは!ちなみに『窓際で微睡む姫君』にはある話があるんですけど、聞きたいですか?」


「嫌に決まってるじゃないですか!というかなんで何回も言うんですか!恥ずかしくないんですか!?」


「いやいや、慣れたに決まってるじゃないですか。名前のベクトルが違うだけであって私にとってはなんの関係性はありませんので。私にとっては、ね?」


「やめろ!私に関係があるみたいな言い方するのやめろ!」


「おやおや?『窓際で微睡む姫君』はあなたが…………」


「次!ほら!『命名くん』はまだですか!早く決めましょう!」


「『命名くん』今多分壊れました。それで、『窓際で微睡む姫君』ってなんなんですかぁ?」


「嘘つけ!壊れてないでしょ!それにそんな称号名私に関係ありません!」


「そんな称号名ってどんな称号名ですか?」


「うぐっ!ま…まど………」


「まど?」


「『窓際で微睡む姫君』のこと!これでいいでしょ!」


「はいじゃあ次は視聴者さん達からの優秀な称号を『命名くん』に決めてもらいましょう!」


【ガガガ………『リブラ選手』ノ最適ナ称号名ハ『眠れる曲芸師』『モラルブレイカー』ノ2ツトナリマス。ナオ、現在『窓際で微睡む姫君』ガ急激ニ増加シテイマス。】


「『命名くん』まで言わなくていいでしょ!『眠れる曲芸師』で!」


「はーい『窓際で微睡む姫君』ですね!」


「違う!『眠れる曲芸師』!その称号は消せ!」


「あっはっはっはっ!冗談ですって。最後に元気なリブラさんが見れて良かったです。それじゃあありがとうございましたー!」


「許さん!許さんぞ〜!」


*****


「おつかれ『窓際……」


「滅!」


「ぐはっ!」


「いや〜ふふっ……大層賑わっ……ふふふっ…賑わったようだね。」


「笑うくらいならアイスさんみたいに煽って下さいよ!鳩尾狙いますんで。」


「容赦なく人体の弱点狙うのも流石だね。」


「えっと、凄いワイワイしてて楽しかったよ!」


「やめて!気を使われるのが1番辛い!……はあ、エクスさん居ないだけマシか。」


「居るよ。」


「うおっひゃああ!」


「おっと危ない。念の為守ってて良かったよ。」


「なんで居るんですか!」


「そりゃあもうすぐ僕の番だしね。優勝者が遅れる訳にも行かないだろう?」


「ぐぬぬぬ。」


「あ、そろそろ呼ばれそうだね。行ってくるよ。」


「はーい。頑張ってね。いい称号がつくといいね。」


「全部ネタに走られてしまえ!」


「ははは!それじゃあインタビューの時にさっきの話でも聞こうかな?」


「応援してますグリモワールさん!とてもかっこいい称号になるといいですね!」


「すごい手のひら返しだね。それじゃ。」


「ちなみに教えてくれたりする?」


「嫌に決まってるでしょ!」


「どうせ中高のどっちかで窓の傍で寝る私かっこいいーとか思ってやってたんだろ。ついでに自称とかも。」


「やってない!喰らえ!」


「腹は読んでんだよ!足もな!ぐえっ!」


「残念ながら2段蹴りですよ!私を煽りたいなら何かしらの武術で有段者にでもなることですね!」


「お前運動してないとか絶対嘘だろ。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


他人の黒歴史って案外覚えるもんなんですよね。あ、今回の話については全部創作なので実際にあった黒歴史では無いですよ?


お読み下さりありがとうございます!

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