本を買いたかっただけなのに……

白露 優希

本を買いたかっただけなのに……

とある本の発売日…

 「やっと学校終わった〜これであの本を買いにいける!」(前から好きだった小説の最新作をついに読める。あぁ楽しみだ。)「はぁはぁはぁ、あと少しだ。もうすぐ本屋につくはず。って危なっ!」

"キキーッ"

 (死ぬかと思った……早く買いに行きたいからって激チャリはするもんじゃないな。)"ハハハ"(安全運転で行こう。うん。)


 「やっと着いた。これで新巻を、ふふふ。どこに置いてあったっけなぁ。ふんふふふ〜ん。え?ない!ない!」(なんでないんだよ。まさか売り切れたんじゃ。ファンの俺が言うのもなんだけどあの本そんなに人気ないぞ。そんな発売初日で売り切れるような本じゃないはずなんだなぁ。また明日来るしかないか。クソッ、なんで今日に限って帰りのSHR長引くんだよ。)「よし、帰るか。電子書籍にすれば良いんだけど実際に手に持って読みたいんだよなぁ。明日来れば良いし今日は大人しく帰るか。明日も買えなかったらどうしよう。まぁ、そんなことあるわけないか!」このとき、盛大にフラグが立ったのだった。

 「え?今日もないの?マジかよ……」

 「え?今日も……」

 「おいおいマジかよ……こんなことって普通あるか?俺は何回この本屋に行きゃいいんだよ。妥協して電子書籍を買えば済む話だ。でも…俺は諦めたくない……こうなったら絶対この本を手に入れてやる!!」来る日も来る日も俺はこの本屋に通った。 

 しかし、俺は数日後衝撃の事実を知ることになる。それは…

 「え?この本屋ではもうあの本を取り合っかってないの?おいおいマジかよそんなのって…俺のこれまでの苦労はなんだったんだよ……あぁもうやめだやめ。大人しく電子書籍を買うか。今日はもう帰るか。」ここで俺の一冊の本を巡る物語は一旦終わりを迎えるのだった……「クソーなんでコンビニのプリペイドカード売り切れてるんだよ……もうヤダ……………………」

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