アセンション·フィールド
Gusunjang
第0話 プロローグ
「探せ!まだこの辺にいるぞ!」
「滅びる奴!誰かは知らないけど、ただではおかないぞ!”
公式戦というコンテンツで世界的に興行中のミリタリーシューター仮想現実ゲーム。 ワーストフィールド
そこのユーザーたちはそれぞれの地域を中心とした勢力を形成し、ゲーム内での覇権をめぐって絶えず争っていた。
それは現在必死に誰かを探している人たち、旧時代の中国地域を中心に団結した君臨者たちも違わなかった。
公式戦に入ろうと集まったユーザーのうち、高レベルのユーザー3人が一瞬にして狙撃され死亡処理され消えた。
まさか君臨者の勢力圏である都市の真ん中で堂々と狙撃をしてくるとは思わなかった彼らは、すぐ狙撃者を探すために建物の屋上に駆け上がった。
「どこだ!?奴を捜し出せ!」
「ここは違うと思うけど!?”
彼らがきょろきょろしている屋上の下側、商店ビルの2階にあるカフェビルの窓際の席。
デバイスを取り出し、音楽を大きくつけたままティーカップにストローを差し込み、怪しいヘルメットの穴に挟んでお茶をずるずると吸い上げる奇妙な人物が座っていた。
コードネームプロフェッサー。
紛争区域で活躍する謎に包まれた請負業者
俗に言うPVP専門プレーヤー
公式戦を通じて大規模PVPが活性化されているこのゲームでは珍しくフィールドでの単独PVPを中心に活動するユーザーであった。
茶を十分にすすった彼は、余裕のある身振りでテーブルの下の太ももの上に置いた狙撃銃を見ず、上手に分解した。
銃列、銃身、犬の頭板などに分解された銃の部品を隣の座席にあらかじめ広げておいた書類かばんにきれいに押し込んだ彼は、すぐにカバンを閉めたまま再び茶をすすり動かすことに熱中した。
茶碗をほとんど空にしていく頃、彼のデバイスからホログラム画面が上がってきた。
「Voice Only」というアイコンと共に依頼者の変調された音声が流れた。
[無事に終わったかな?]
「もうすぐわかること。 気が短いですね。」
[ハハハ。偉い方たちはいつも老婆心に浸っているんだよ…]
「処理はした。 リスポーンにはなると思うけど。」
[知ってるね。3人を1回射殺。 そういう依頼だったよね。]
「そうだね。」
[それでは依頼金の入金を急ぐようにしよう。 次もよろしくね。]
黙って通信を切ってしまったプロフェッサーは静かにデバイスに触れて、自分のゲーム内口座残高をリアルタイムで見られるようにした。
約5分後に彼のヘルメットに上がる数字が映し出され、彼のヘルメットの内側から光が光った。
時間が経って君臨者のユーザーたちは結局、歯ぎしりしながら公式戦のために出発しなければならず、残りのユーザーたちは都市の屋上を歯ぎしりするように探したにもかかわらず暗殺者が現れなかったため半分あきらめた。
空の茶碗をテーブルの片隅に押しのけた彼は、ゆっくりと席を蹴って立ち上がった。
もう彼が道端を歩き回っても、大きく疑われたり、目立たないはずだ。
隣の席に置いた銃が入ったカバンを手に取り、レジに向かって歩いた。
*
第3次世界大戦
幸い核をはじめとする核戦争はなかったが、核を除いても大規模火力兵器で武装した人類間の世界規模の戦争は残酷な傷を残した。
このような過程で各国の機能が疲弊すると、その座を横取りしたのが300の名門財閥家で構成された「赤い盾理事会」。
彼らは莫大な財力と経営能力を武器に、世界の再建と平和を口実に人々から権力を約束された。
理事会は彼らに反対する人々を抑圧するために多大な権力を行使したが,市民は彼らを容認した.
彼らがもたらす安定した世界と豊かさがあまりにも甘かったからだ。
そのため、6年前に起きた「青い槍」を自任した革命集団の蜂起にも市民は応じなかった。
ただ出入り口と窓を固く閉めてそっぽを向いただけだ。
ヘルメットの男は、ふと感じる痛みに自分の右腕を触りながら道を急いだ。
今日は別に処理しなければならない仕事がもう一つあった。
それもとても秘密で危険な仕事が。
君臨者の都市からバスに乗って都市2ヶ所を通って到着したところ。
カナダ地域を中心としたユーザーの勢力であるドルイドユニオンの都市だった。
「ふむ…」
癖のように建物の屋上の方をきょろきょろしていた彼は、すぐに決めたかのように足を運んだ。
たまに彼のヘルメットを横目で見るのが感じられたが、気にはならなかった。
彼が誰なのかまともに調べる人は珍しいはずだ。
彼と面識のあるユーザーは、ほとんどが各勢力でも中堅級以上のユーザーだった。
それ以下のユーザーは、彼がどこで何をしているのかさえ知らないのが普通だから。
30分後。
3階建ての屋上でかばんを下ろした彼が口を開いた。
「アセンションプロトコル6-6-6-6、デルタ、エスコート、アルファ、デルタ… システム起動。」
赤いディスプレイが彼の視野に浮かび上がると、黙ってうなずいて起動を承認した。
[始動キーを指定してください。]
彼にだけ聞こえてくるシステム音声の案内に従い、狙撃銃の弾倉を取り出し、一番上に挟まれた小銃弾を取り出した。
「始動キー。指定。」
銃弾の弾頭が赤色に点滅し始めると、再び弾倉の一番上に挟んだ彼は直ちに狙撃銃の組み立てに入った。
特にカバンの隅にあった消音器まで着実に装着した彼は、隣に置いた弾倉を挟んで装填ハンドルを引いて礼の弾を装填した。
「標的を探索する。」
建物の欄干に腰掛けて下を見回した。
彼が探しているユーザーがそろそろこの大通りの片方に駐車されたバイクに乗るために現れるはずだった。
「今日も楽しい偵察に出かけてみようか!」
自分が狙われていることは夢にも知らないまま、そのユーザーは商店ビルから現れた。
毎日行っている都市周辺の偵察兼ドライビングを楽しむために駐車しておいたバイクを取りに行く途中だった。
比較的安い個人装備とは異なり、バイクをはじめとする各種機甲装備は概して中堅級以上の勢力でのみ運用が可能な高価な装備だったが、ドルイドユニオンは特にバイクを愛用するユーザーが多かった。
「標的を発見。」
眼光を輝かせたプロフェッサーの銃口がすぐに彼に向けられた。
何も知らないままバイクの前に立って駐車台のロックをデバイスで操作しているその瞬間、
「え…?」
押さえつけられたうめき声と共に彼の体が崩れ、プロフェッサーは直ちに銃を集めて解体し始めた。
彼の目の前のディスプレイでは各種ハッキングプログラムのローディングスクリーンが現れて消えることを繰り返した。
「よし。すぐに離脱する。」
銃を再びカバンに入れて席を立つ彼のヘルメット画面の片方には意味深長な文句が出力されていた。
[プロジェクトアセンション1段階進行中。]
翌日が明けた。
午前6時に自然に起きた男は、自分が横になっていたカプセルから歩いて出て伸びをした。
「まったく。やっぱりカプセルでの仮眠は腰によくないね。」
伸びをする両腕のうち右腕が滑らかに見える機械腕になっている男は、すぐにギーンと音を立てて右腕のように機械に取って代わられている両足を動かして台所に向かった。
機械腕の指を弾くと、台所棚の片方についていた画面が点灯し、朝のニュースを流した。
[えーと…事故の知らせです。 昨日未明、公式戦などで大ヒット中のシューターVRゲーム「ワーストフィールド」で再び脳死事故が発生しました。]
くすくす笑った男は機械の腕を伸ばし、卵を2つ取った。
「これでもう何人だ。」
ふとフライパンを取ろうとした自分の手を凝視していた彼の目の右側は金属板が覆われた義眼に取って代わられていた。
彼は台所の窓際から遠く見えるビルをにらみながら、フライパンを力強く握った。
「だからといって止めるつもりはないけどね…。」
[事故原因は把握中ですが、ゲーム内の目撃者たちの証言によると、建物の屋上から飛んできた弾丸に狙撃されたようだという…。]
目玉焼きとベーコンを添えたサンドイッチが入った皿を小さな食卓に置く頃、台所の画面から放送画面が消え音声通話アイコンが現れた。
[プロフェッサー。今連絡大丈夫か?]
「いつそんなことを問い詰めながら訪ねてこられたのか。 それで、どうした?」
[ハハハ。ごめん。 本来ならちゃんとゲーム内で接線をしなければならないのに、急用ができたんだよ。]
声は彼とよく取引する男だったのか笑い声を上げ、すぐに声を低くした。
[費用は合わせてあげるからよろしく…それで、いつ頃また接続するつもりなのか?]
「朝食は必ず現実で食べることにしているから。 そのほか、用事を済ませてから午前10時頃。」
[分かった。念のため詳細はゲーム内で話そう。]
通信が切れると同時に、男は首を横に振りながらサンドイッチを口に押し込んだ。
「公式戦シーズンだからか、汚く忙しくなるね。」
サンドイッチをもぐもぐさせながらまた窓辺を眺めた.
遠くに見える摩天楼の間に位置している、彼が憎悪してやまない者たちが隠れている建物が見えるように。
「待ってろって。 少しずつ…ほんの少しずつ近づいているから。 あなたたちが気づかないほど少しずつ…。」
「壊れた槍刃を弾丸に変えて,ね。」
+プロローグEND+
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます