211話・これで終わりだと思いました?

投稿速度か、クオリティーか、皆さんはどちらのほうが大事ですか?

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「それにしてもあっさり終わったね……」


 正義君は何も気づいていないようでそういったが、私は右手で握ったその剣を真後ろに感じる殺気に対し、下から切り上げるように切ろうとした……が、突如地面が崩れその影響で私の態勢も崩れてしまう、体が地面と水平に近づいていくその状況で無理やり地面を蹴って体が地面と水平になるように、かつ強力な回転をかけるように跳躍、その勢いを利用してその攻撃を防ぐ、さすがにその態勢のまま着地はできないため、地面に剣を突き刺し、上下をただしたうえで無事に着地する。


「……え、今何を……?」


「あの程度で終わってくれれば楽だったんですがね……、貴女なんで生きてるんですか?」


「……」


「返事は無しですか……」


 それは何も言わずに、その刀を構え私に向けて突撃をする、それに対して、私は安直に前へ飛び全力で突きを放つ……しかし、突撃をしていたそれの足元が急に崩れ、それが態勢を崩す形で私の攻撃を回避される。

 前に進む力を抑えきれなかった私たちはそのまますれ違い、その動きが止まった後で再び向き合う。


「貴女、本当に運がいいですね」


「……」


 何もしゃべらない……というのは少し不気味だが、知り合ってすぐの絢様ほどではない、あの時の絢様からは何故か常に首筋に冷たいものを感じていた、1週間ほどでその感覚はなくなったがあれはいったい何だったのだろうか……。

 まあ、それはいいでしょう、ええ、どうでもいいことです、今は目の前のこれをどうにかしないと……何度か、切ってはいるが、地面が崩れたり服が引っかかったり、様々なアクシデントが発生して攻撃が外れたり、避けられたり……それほど激しくない戦闘で、たまたまその時の足元が脆くなっているなんてどんな確率なんでしょうか……。


「はあ、めんどくさいですね」


 絢様が作ってくれたせっかくの武器ですが……私は武器を地面に突き刺し、その刀は柄の部分まで沈み、半球形に地面にくぼみを作り、その周囲に大きな罅、亀裂ともいうべきものを作り出す。


 私は軽く体内に意識を向け、体内の魔力、そして魔素を操作する……と同時にもう一つ、自分の生命力にも意識を向ける……。


「この技、絢様にも使えないんですよ、あの人は自分の命なんてまだ興味ないですから……」


 一瞬の呼吸によって魔力による身体強化、空気中の魔素を使用した身体強化、さらにそれを生命力に絡めて身体強化の倍率を上げる、無理やり上げた倍率は絢様の全力の身体強化以上の強化率を発揮し、さらに私のスキルでさらに強化する。


「さて、今の私と全力の絢様、体術だけならどちらが強いんでしょうね……」


 そのちょっとした疑問を浮かべた直後、自分の体と私の中に存在するそれぞれの力を同時に動かしその反動を利用して最速の手刀による突きを放つ……

 その最中にも幾度か偶然の妨害はあったが、そんなものはもろともせず、完全なクリーンヒットを食らわせる。

 その威力は、それの体を完全に吹き飛ばすほどの威力を誇り、その直後にはその軌道の後ろに回り反対側へと蹴り飛ばす、それをさらに追い連撃を放つ……がさすがに一撃重視よりも相手の隙を生まないようにする連撃はさすがに威力が軽かったのか半分ほどが受け流される。


「……その魔力の線、途中で途切れてはいますが、それ分体でしょう、分体で私に勝てるとは思わないことですね」


 今から私が放つ攻撃は、全ての威力を一撃にのみを放つためだけに必要な個所だけを強化した全力の一撃、一連の戦いですでにそれの魔力は覚えている、どう逃げようと私もすぐにそこに行くことができる、それもそのことをわかっているのか逃げるのではなく見ただけでもわかる全力の障壁を展開している……。


「そんなもので防げると思いますか?」


 その一撃により発生した衝撃波は、前方の視界に移るすべてを消し去り、なお前方へと直進していく……、ただ、一つ思うとすれば。


「城とは反対の方向でよかったです……」


◆◇◆◇◆◇◆◇


「唯の成長も速いですね、さすが私の師です、このままではいつ追い越されるか分かりませんね」


「貴女主目的はそれではないでしょう」


 神界ではそのほかの場所とは明らかに規模の違う戦いが展開されていた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

唯ちゃんが恐ろしいほど強くなって……、もうそろそろ絢ちゃんと怠慢できるように……いや、まだ無理だな……。

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