186話・神兼魔王VS魔王兼神ー3

あと一話でこの一連の戦いは終わりなのですが、私の体力がもう少しあればこの話で終わらせたかった……

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side城内


 彼女たちが訓練場で争い、その枠を超え、城の外で戦い始めたころ絢はバルドルフ達が場内の避難を始めていたと思っていたようだが、そんなことは一切なく、やっとこの状況に気づき現状の把握を始めた所である。


「いったい何が起きているんですか!?」


 戦闘の余波によりゆられる城の中で、その叫びの回答を取り出せる者はこの場にはおらず、絢と契約を交わした従者たちと、たまたま目が覚めた、唯と絵里、正義の三人は二人の戦闘が見える場所に集まり、その戦闘を唯々眺めている、その視線の先には、空中に数千数万の線が輝き、その中で、白と黒の二つの線が、周囲よりもより強く輝き、ぶつかり合っていた。


「未だに絢様は私達に稽古をつけますが、まさかあそこまでできるようにしたいのですかね……」


 そんなバルドルフの一言に対して……


「いやいや、そんなまさか……」


 などと言った感じでその予想を嘘にしたがっているが、その中でただ一人……


「あり得る、十分あり得る、絢さんなら、絢さんなら十分あり得る……」




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side魔神


 あいつ、一体どんな身体能力をしている!!

 こっちは思考加速に並列思考、時間加速と、時間遅延を使ってやっとこの速度だというのに、あいつは思考加速と並列思考だけで着いてくるどころかこっちが追い付けない、一体どうなってるんだ!!

 その上、あいつは私がまだついてきていると思っている上にまだまだ互角だと思っている……神は何処までも私達をコケにしやがる。


 そんなことを考えている中、突如下から不思議な音を発しながら細い光の線が上空へと飛ぶ。


「なっッッ!!」


 何とか避けたが……障壁が斬れたぞ、これは、炎、か?っッッ!!次は……水!!魔法とは言えどんな出し方をしたらただの水や炎がこんな切断力を持つんだ!!


 そう言い、思いながら、魔神はその反撃の回数を少なくしながらも、ギリギリのところで回避し、その命を紡いでいく、自身の時間を加速させ時間加速、自分以外を遅延させ、それでもまだ、時には時間停止に近いほどそれらを強化して、それでもまだ、絢に届かない。

 彼女もうすうす気づいてはいた、自分では追い付かないと、神が自分と同じほどであるはずがないと、彼女に自分と同じほどの魔力しか持たないと見せかけた絢がすごいのか、絢に自分と同じほどの魔力を持つと思わせる虚勢を張れた彼女がすごいのか、そのどちらもがあり得るというべきだろうか……




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 絢は気づいていた、そろそろ終わりが近づいていると、本気を出すよりも先に終わってしまうと、だからここからは本気を出すことにした、神王よりも、自分の創造主よりも膨張した、その力を……。

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絢ちゃんの本気の姿はどんなものなのか、今の状態で本気は出せるのか……どう思いますか?

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