107話・転移魔法の授業です
転移魔法って、難しく考えればいくらでも難解にできそうな分野ですよね
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あの後、少しだけ反省し、魔法やポーションなどを使って全員の介抱をした、何人か地面に埋まっていて、掘り出すのに疲れた。
翌日、全員にどうだったか聞いてみると、何故かみんな「怖かった」とか「化け物」といった回答が出てきた……何故だろうか、ただみんなが思っていたより弱かったので、今日からみんなを鍛えることにした、最近気づいたが、私のスキルは魔物を作ることが出来るようだ、しかも強さや形も自由に変えられる。
「これじゃ本当に魔王の様ね」
「どうかしたんですか?」
「いや、別に何も無いわよ……ところであなた達はもう練習しなくて大丈夫なの?」
私に話しかけてきたのは、1週間くらい前に魔剣の作り方を教えた子達だった、どうやら考え事を喋ってしまっていたようだ、しかし、練習が終わったわけでもなさそうだが、一体どうしたのだろうか?
「これを教えてください!!」
そう言って私に渡したのは、何かが箇条書きをした紙、内容は、幾つかの空間を広げる魔法と魔力増幅炉の作り方を教えてほしいという物。
「これは空間系魔法、それに魔力増幅炉の作り方も……どうしてこれを?」
「魔剣をもっと使いやすくしたいんです」
まあ、理由話分かった、しかしこれは……もしかしたら習得できないかもしれない。
「貴方達は絶対にあきらめないって約束できる?」
「「絶対できます!」」
「じゃあ、外に出ましょうか」
私は軽く指を鳴らし、全員を城の外の草原に転移させる。
「まず、空間系魔法の基本、つまり一番簡単な物、転移から覚えましょう、ちなみに今私がやったのは、転移の上位互換、瞬間転移と集団転移の合わせ技よ、貴方達には今日中に、此処までできるようになってもらうわ」
「「はい!」」
「じゃあ、まず空間系魔法を覚えるにあたって、貴方達は、今までの常識は全て嘘だと思いなさい」
「……?」
まあ、いきなりこんなことを言われたらそういう反応をするのは仕方ないが、もう少し隠そうとか、質問しようとは思わなかったのだろうか……
「空間系魔法は、常識を信じていたら絶対使えないの、例えば、貴方達は此処から地上まで一瞬で移動できると思う?
……まあ、できる子もいるでしょうけど、それを絶対にできると思えなければ、魔法は発動しないの」
私の言葉で、何人かは何か納得した様な表情をする。
「質問!!」
「どうぞ」
「どうしたらいいですか?」
「貴方は何というか……正直ですね、もう少し考えようとは思いませんでしたか?
まあいいです、どう考えるかは人によります、私の考え方は、点と点を直接つなげるという物です」
「「?」」
全員分かっていなさそうだ、二つの点と、その間をつなげる線を書いた紙を取り出して説明する。
「この右の点が今いる場所、左の点が行きたい場所、この線が二つ場所をつなぐ道として、点から点に一番早く動くためにはどうしたらいいと思う?」
「線の上をなぞる?」
「それは通り抜けの考えね」
「早く動かす!」
「それは加速考えになるわ」
もう意見は出ない様だ、私は点と点が重なるように紙を折って答えを言う。
「こうすれば、一番早いでしょ」
何人かは納得がいったようだが、その他はまだピンと来ていない様だ。
「後は扉をイメージする、という方法があります、こちらの方が少し難しいと思いますが、窓の無い扉の先が、初見ではどうなっているか分からないことを利用します、まず、どうにかして扉を作ります、そしてその先に自分の生きたい場所につながっていると思います」
この説明は先ほどよりも理解できた人数が少ない、それからいくつかのイメージを出して、やっと全員が納得できるイメージを探し出せた、後は実践、全員にやってみてもらう、一度理解すれば、後は頑張って「自分はできる」と思い込むだけ、2時間ほどで全員が成功した、しかし、失敗したものも含めて使った魔力が多い。
「今日はこれで終わりです、また明日続きをしますので、今日は休んでください、その代わり、明日は新しく空間を作る魔法の授業をしますから」
「「はい!」」
そう言ってみんな走って行ってしまった、あれほど体力が残っているのならもう少し続きをやってもよかったかもしれない……さて、バルドルフ達の教科訓練はどうなっているかしら。
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バルドルフ達は、今死地に立っていた
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