72話・治験

さあ、先生と唯を強化しよう

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「あのー、絢さん、この部屋は何ですか?」


「私の部屋です」


「ここで一体何を?」


「治験です、もう少し詳しく言うと、種族を変えるスキルの使用テストです」


「嫌です、絶対に嫌です」


 きかれたことを答えただけなのに絵里先生は一体何を嫌がっているのだろうか。


「今まで何度も絢さんの治験には参加させられましたが、まともな結果になったことなんて一度もないじゃないですか!!」


 まあ、確かに絵里先生には、今まで媚薬だったり、惚れ薬だったり、幼児化薬だったりを飲ませたりはしたけれど、そこまでろくでもない結果だったかしら?


「絢様の実験はそれほど悪いものではなかったと思いますが……」


「唯さんはそれほど悪いものを飲ませられなかったからそう思うだけですよ!!」


 確か唯の方には抗うつ薬と、知能調整剤とかだったかしら、どっちもおかしなものではないと思うけど、先生は一体何の文句があるのだろうか?


「まあ大丈夫です、安全は私の体で確認していますので、今までのだってそうなんですよ、特に問題の無いものしか飲ませてませんよ」


「……、嘘はついていない……とは思いたいですけど、絢さんの感性があまりにも異質すぎて信じられないんですよー!!」


「とにかく、今私が生きてるんですから死にはしませんよ、大丈夫ですから、もう始めてしまいますね」


「ちょっと待ってください!!

 すこし……決意をする時間を……」


 そう言った絵里先生はゆっくりと深呼吸をして私に合図を出す。


「もう大丈夫です、さあ、いつでもどうぞ……」


 そう言った絵里先生は「大丈夫です」までは良かったのだが、その後は目を閉じて震えている。


「唯もいいですね」


「はい、私は絢様を信じます!!」


 私はその唯の言葉に、もし私の偽物が現れたら絶対に騙されるな、と思いながら、スキルを発動させる、スキルの内容はいつぞやに作った、他人の種族を変えられるスキル、スキル発動と同時に辺りが白く輝き、私達の足元から白い壁が上がってくる。


「あれ、私も?」


 そこからゆっくりを私達3人は白い壁に囲まれていき、最終的に私の部屋には3つの卵が残されたのだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

絢ちゃんは絵里先生に色々な薬を飲ませています、それはもう本当に色々と……

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