65話・チートスキル、鑑定の完成

「次回の」ではなく「次回から暫くの」でした

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 ベンタールから家に帰り、一番最初にすることは、手洗いでもなく、昼食でもなく……、研究である。


「もう少しで完成しそうなので、暫く籠ります、シルキーにもシルキーにも言っておいてください」


「分かりました、体調にお気を付けを」


「はい」


 バルドルフに言い、私は研究室に籠る。

 改めて私のスキルの詳細を思い出す、私の《創造》は万能ではあるが、全能ではない、何でも作ることが出来るけど、名前を知っているくらいでは作り出すことはできない、

 少なくとも、外見と性能くらいは把握しておく必要がある、形状の無い物、例えばスキルなら大概の物は性能を設定するだけで作り出せる、私の持っている《陽光》と《月光》も、それっぽい効果を付けただけで、名前だけでスキルを作った訳では無い、どちらかと言えば効果に名前がついてきたのだ。


 《創造》で、一番作りにくいスキルは測定系のスキル、特になんでも鑑定できる物なんかはとっても作りにくい、私がやった才能検査にも鑑定のようなスキルを使ったものだが、あれは私の今までの経験から、性格や今までの経験、肉体などから、どのくらい作業ができるかを見るための物で、数値化が出来るわけではないし、ステータスなんて参照してない、だからこれも完璧ではない、なので私は最近、完璧な鑑定スキルを作るための研究をしている。

 私がやっている研究、それはステータスの1を調べることだ、基準さえできれば後は簡単なのだが、基準を決めることはとても難しい、この世界には、あの王国で渡された黒いプレートや、冒険者ギルドで使われている水晶など、ある程度ステータスを図るものはあるが、そのステータスの内容は光の強さなんて言う曖昧あいまいな物だったり、基準もわからず正確かもどうかもわからない物ばかりなのだ、実際私よりも正幸君の方が武力値というステータスが高かったが、私が万全に動ける状況で、魔法なしだとしても正幸君に負ける気はしないし、負けたことは無い、それに魔法有りなら余計負けない。


 研究している最中にわかったことだが、私の周りには、私の従者を筆頭に、身体能力がカンストした様な人しかい、これでは基準なんて作れるわけがない、そういう意味では普通の人をたくさん見れたので、今回ベンタール王国に呼び出されたのは良かった、あの王子にさえ会わなければもっと良かったが、あの王国での出来事はもう気にしないことにした。

 鑑定に組み込んだステータスは6つ、私の力だけで再現できたのは、名前・生命力・素早さ・武力値・スキルの4つ、この4つはベンタールで見た町の人の平均を基準にした、そしてもう一つ作ったのは魔力量、これはもう神達の力を借りた、キリーに聞いた話では、無属性の魔石に魔力を込めると少し大きくなるらしい、それを応用して、魔石が0,00001㎜大きくなる量を基準としているらしい、どうやって計測したのかは分からないが、それを流用させてもらう事にした。

 これで、完璧なステータス鑑定スキルが完成した、ついでに他人の種族を変更するスキルも完成した、しかしこれは他人の種族を変えるスキル、自分に使っても仕方がない。


「はあ、唯か絵里先生がいたらな~」


 うっかりそうつぶやいてしまったが、今の現状に文句を言っても仕方がない、今は相手を図ることが出来るようになったことを喜ぶべきだろう。

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鑑定作成完了、次回は奴隷の子達の警戒を解きましょう

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