3話・書庫にて

 神官風の老人と一緒に、神官風の青年が入ってきて、手のひらサイズの謎の黒い板を渡してきた。


「それは『ステータスプレート』と呼ばれるものです、皆様にはそのプレートのどこかに血を垂らしていただきます」


 嫌だと言える雰囲気ではなく、みんな四列に並び、指の先端に針を刺しプレートに血を垂らす、その後プレートを見て無反応の者もいれば、哀しみに暮れているもの、喜んでいるものもいる、此処でも先生は初めに動いた、針に毒でもついていると思ったのだろうか。


 血を垂らすとプレートが青白く光り私のステータスが映し出される、それを神官が確認する、他の人はそのあとで訓練の科目を、武術と魔法の二つに分けられているようだ、私は、神様にもらったスキルと+α……と知らないスキルが三つ付いていた、おそらくこのスキルならばどちらに分けられてもやっていけるだろう……と思っていたのだが。


「この子スキルを四つも持っているぞ!!」


 何故か担ぎ上げられた、うわあぁ痛い、周りからのなんであいつがって視線が痛い、私が神様からもらったスキルは創造、魔力を素材にあらゆるものを作ることが出来る、でもこんなスキルを持っているとバレたら、飼い殺しにされることは確実、だからこそ、それっぽいスキルを2つ作って隠蔽のスキルで創造は隠した、それでも飼い殺しコースか。


 そんなことを考えていると、もう一つ担ぎ上げられている人がいた、その中心にいたのは唯さんだった、唯さんも担ぎ上げられたのか。


 そのままスキルプレート作りが終わり次第、全員が地図を渡され、それぞれ城内に限り自由行動になった。


 自由行動になってすぐ、書庫に入って私はすぐ近くにある本を取り出し読み始めた、本は良いものだ、人一人の人生、人類の今までの軌跡、それが書かれた本それは人類の宝と言っても間違いはない、だが言語理解があっても異世界の言語を読むというのは疲れるものがあるわね。


◇◇◇◇◇◇◇◇


 絢様が部屋を出てどこかに行こうとしてきたのでついてきたのですが、やはり絢様ははすごすぎます、まだ読み始めてから1時間も経っていないのにもう棚一つ読み終わっています話しかけていいのでしょうかダメですねもう部屋に帰りましょう


◇◇◇◇◇◇◇◇


 ん?、今入り口に誰かいたような……まあいいです敵意はないみたいですし読み続けましょう


 ……………………


 …………


 ……


「お主[呼び出された者]じゃろ、昨日の今日でなにをしておるんじゃ?」


 私の目の前にお爺さんがいた本に集中していてきづかなかったが、いつの間にか日が昇っている。


「本を読んでいるだけなのですが」


「見たところその本で最後のようじゃが……」


「そう…ですね、ところであなたは?」


「儂はこの書庫と禁書庫で司書をしているもんじゃ、ところでそれももう読み終わるじゃろう今日も書庫に来るか?」


「いえ、もうこれで終わりみたいなので禁書庫に行こうかと」


「それは良かったでは今日は訓練が終わったら禁書庫に来てくれ」


「友人をつれていっても?」


「いいぞいいぞ、ではまたのぅ」


「は、はい」


 そういうと老人とは思えない速さで走っていった


 そのまま残りを読み自室へと帰っていく


 部屋に入ると唯さんが部屋にいた


「唯さん、なんでいるんですか?」


「絢様の部屋の前でメイドの方が朝食を運んできたときに絢様が書庫に行ってらっしゃって困っていらしたので私が対応しておいたんです」


「それは、ありがとう……そういえば今日禁書庫に行くんだけど一緒についてきてもらってもいい」


「はい行きます、行かせていただきます、すぐに行きましょう」


「訓練があるらしいから、それが終わってからね」


「はい、絢様と私は同じ場所みたいです」


「良かったですね」


 そして私は机の上に置いてあるご飯を食べ始めるた……のだが


「唯さん部屋に帰ってもいいんですよ」


「大丈夫です」


「そう、ですか」


 食べにくい……


 食べ終わると計ったかのようなタイミングでメイドさんが来た。


「唯様もいらっしゃいましたか、今日はお二人とも武術系の訓練が予定されております、ここに集合してください、では食器をお下げます」


「ありがとうございます」


「ありがとうございます」


 そのまま、メイドさんは食器をもって部屋を出て行った


「さあ言われた場所に行きましょうか」


 私たちはメイドさんに指定された場所に向かった。

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