神殺しの火

ゲネ

第1話 私

 思い返すまでもないかもしれない。私の過ちは保育園の頃から続く。幼少より既に同い年の子を無意識に見下し、年長さんと遊んで自尊心のようなモノを満たすイヤな子だった。小学校に入るなり友達をすぐに作る行動力は正解だったかもだ。勉強も遊びも楽しめたしまぁ悪くなかったのでは?と思う。中学校ではサボることを知ってしまい、勉強に追い付けなくなった。要因としては『勉強は将来役に立たない』などと言う誰が言い始めたかも分からない妄言を真に受けてしまったからだろう。全く以て否だ。役に立たない勉強なんてなかったと今は否定できる(今でも勉強は苦手だが)。個人的に一番の失敗。これは卒業に際してもなお好きな人に告白が出来なかったことだ。可愛らしい思春期ではないか。が、高校は目も当てられない。ギリギリ卒業とかそういう話になってくるので割愛しよう。青春らしい青春もしないこともなかったが、特筆するほどのことはないだろう。そうだ、私の人生は過ちのほうが割合を占めている。学生のうちは遊びこそが仕事だと言えるが、『糺してくれる大人』というのはこっちが大人に近づくにつれ離れいってしまう。聞けばよかった忠告も警告も助言も忠言も、全て後悔してからその真意が沁みるのだ。


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