鍵③

次男くんが中学二年生になったある日、鍵をかけて外出しなくてはいけない事態に陥りました。


「鍵かけてね!」


「大丈夫、大丈夫!」


しまこは不安に思いました。


しかし、なんと、ちゃんと鍵はかけられていたのです!

すごい!

成長している!!


次男くんに「すごいねえ。頑張ったねえ。成長だねえ」とこころの底から言いました。


「ねえ、オレをなんだと思ってんの? なめてんの? 出来るに決まってんだろ!」

と、思春期の次男くんは凄んできました。


それさえ「成長だあ」と思ったことは、口にしませんでした。

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