初めてのことば
子どもが一番最初に話すことばはなんでしょう?
*
次男の二歳児検診が迫ったある日、チェック事項を見ていました。
「単語を発していますか?」
「『ばっ! ばっ!』(バス)とか『ぼっ! ぼっ!』(ぼく)とか『でっ! でっ!』(電車)とか、単語になりますか?」
「なりません」
そうですよね。おかしいなあ、十一カ月のころはたしかに「よいしょ」って言いながら、階段をはいはいで上っていたのに。
一歳になる前におむつも外れ、意志疎通もばっちりだったので、全く気づきませんでした。
単語を発していないことに。
ちなみに、「ちっ! ちっ!」がおしっこ、「うん! うん!」がうんこです。
念のためいろいろ検査をしました。大丈夫そうでした。
そんなある日、そのころ流行っていたレンジャーキーなるおもちゃを持ってわたしに見せに来ました。
(ゴーカイジャーのころの話です。)
「ふんっ! ふんっ!(これ、何?)」
「ああ、これはゴーオンジャーだよ。あそこに本があるから、自分で確認してみて」
「ごーおんじゃー」(目がきらり)
え! いま、ちゃんとしゃべった?
次男を見守ると、本棚の前で本を開き、確認していました。ゴーオンジャーを。
そして、他のものも、本で見て学んでおりました。
以後、彼はふつうに話すようになりました。いきなり。
「ごーおんじゃー」のあとは、まったくふつうに。
二語文とかのステップはありません。
しゃべれないふりをしていたんだ、と信じています。
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