初めてのことば

子どもが一番最初に話すことばはなんでしょう?



次男の二歳児検診が迫ったある日、チェック事項を見ていました。


「単語を発していますか?」


「『ばっ! ばっ!』(バス)とか『ぼっ! ぼっ!』(ぼく)とか『でっ! でっ!』(電車)とか、単語になりますか?」


「なりません」


そうですよね。おかしいなあ、十一カ月のころはたしかに「よいしょ」って言いながら、階段をはいはいで上っていたのに。


一歳になる前におむつも外れ、意志疎通もばっちりだったので、全く気づきませんでした。

単語を発していないことに。


ちなみに、「ちっ! ちっ!」がおしっこ、「うん! うん!」がうんこです。


念のためいろいろ検査をしました。大丈夫そうでした。



そんなある日、そのころ流行っていたレンジャーキーなるおもちゃを持ってわたしに見せに来ました。

(ゴーカイジャーのころの話です。)


「ふんっ! ふんっ!(これ、何?)」


「ああ、これはゴーオンジャーだよ。あそこに本があるから、自分で確認してみて」


「ごーおんじゃー」(目がきらり)


え! いま、ちゃんとしゃべった? 


次男を見守ると、本棚の前で本を開き、確認していました。ゴーオンジャーを。

そして、他のものも、本で見て学んでおりました。



以後、彼はふつうに話すようになりました。いきなり。


「ごーおんじゃー」のあとは、まったくふつうに。


二語文とかのステップはありません。



しゃべれないふりをしていたんだ、と信じています。

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