第14話「ドニプロダンジョン4」
地下二階に降りた途端に魔物が強くなったように感じる。出てきたアイテムも質が高い。階層によって大きく違うのだろうか。しかし、とりあえずは先に進むしかない。
石畳の通路は歩きやすくて助かる。それでも、俺はアフロディーテの可愛いお尻を見たい。苦しくなくても目の保養は必要なのだ。
また、ゴーレムが現れて、また『硬い盾』を落とした。同じ魔物を倒して、同じアイテムが落ちた。
どうやら、同種の魔物からは同種のアイテムしか出ないようだ。
さっきのゴーレムもブロック状の石が合体した。それが分かれば避けて通ればいい。
「アフロディーテ、時間の無駄だからゴーレムは避けていこう」
「わかりました」
ブロック状の石は石畳の通路のどちらか片方にしかない。
どのくらい近寄れば反応するのか分からないので、ブロック状の石がある時は砂漠の中を歩いた。
砂漠を歩くと今度はブラックスコーピオンが現れた。前回は火魔法を使ったアフロディーテだが、今回は風魔法を使った。
ブラックスコーピオンの硬い体が十字裂きにされる。宝箱の中は、予想通り『護りの短剣』だった。
石畳みを歩いていたら、 アフロディーテが急に立ち止まった。右手を斜め下にして、俺を制止する。
「探知魔法に何か引っ掛かりましたが、姿が見えません。たぶん、砂の中に潜っていると思われます」
「じゃあ、どうするんだ?」
「ここで、待っていてください」
アフロディーテは、そう言い残して前方に駆け出した。5メートルほど行った所で「ガボン」という音がして石畳が陥没した。「ズザザ」という音が続いて、陥没が広がる。
「危ない! アフロディーテ」
俺はとっさに叫んだが、アフロディーテは遥か上空にいた。
最初の陥没は更に深くなり、周囲の石と砂を引き込むように穴が広がる。それは、まるで蟻地獄のようだった。
とつぜん、砂が爆発した。
出てきたのは昆虫系の魔物ではなく、巨大なミミズだった。直径が1メートルくらい有りそうな胴体と、目も鼻も無い顔には『一』の形をした口があった。
たぶん、目と鼻は有るのだろうが、俺には全然分からなかった。その口を開けると、顔全部が口になった。中には無数の歯が見えた。
『Cランクのデザートワームです。ああやって、穴に落として襲ってきます』
アフロディーテの念話が聞こえた。
『アフロディーテ、大丈夫なのか?』
『大丈夫です。すぐに倒します』
言うや否や、デザートワームの体が縦に裂けて黒い煙に変わった。
だけど、宝箱が見つからない。俺が辺りを見回していると、アフロディーテが蟻地獄に飛び込んだ。
『アフロディーテ! いったい何を?』
『旦那様、心配いりません』
すぐに,蟻地獄の中からアフロディーテが飛び出す。手には宝箱があった。
俺は駆け寄って言った。
『アフロディーテ、心配したぞ』
『ご心配かけて、申し訳ありません』
アフロディーテは全身砂まみれになっていた。
アフロディーテが、風を起こす。服や髪の毛についた砂が吹き飛ばされた。
だけど、服の中に入った砂までは取れない。アフロディーテはブーツを脱ぎ、革の胸当てを外した。胸当てから砂がこぼれる。
とつぜん、アフロディーテが服を脱ぎ始めた。薄い生地の長袖のシャツを俺に手渡す。
「ア、アフロディーテ! いったい何を?」
「旦那様。脱がないと、服の中に入った砂が取れないのです」
「あ! そうなのか?」
「手伝っていただけますか?」
「喜んで!」
俺はアフロディーテの服を持つ。しかし、目はアフロディーテの体に釘付けだった。
下着姿になったアフロディーテが、また風を起こした。体にこびりついていた砂が吹き飛ばされた。
俺はアフロディーテに服を渡す為に歩み寄って差し出した。
だけど、アフロディーテは服を受け取らない。
「旦那様、もう少し待ってください。胸の中まで砂が入って」
俺は思わず、アフロディーテの胸谷間を覗き見る。巨大な二つ山の間にある渓谷は、砂防ダムのように砂をせき止めていた。
「旦那様、そんなに見つめられると恥ずかしいです」
「あ、ああ。ごめん!」
無念と思いながら、 俺は顔を背けた。
アフロディーテの右手が伸びてきた。その手にはアフロディーテのデカイ胸隠しがあった。
もう一度、風が吹いた。そして、アフロディーテは服を着ていく。残念ながらサービスタイムは終了したようだ。
「アイテムは『ロブロッド』でした。対象者に気づかれずにアイテムを奪うことができます」
「使い方によっては役に立つアイテムだが、少しだけ犯罪臭がする」
「どんな物でも使い方次第です。薬も使い方によっては毒になります」
「そらそうだ」
照りつける太陽のせいで、俺は顔から大粒の汗を流し続けた。
「旦那様! 水を出します」
アフロディーテが傍に来て空中からシャワーのように水を落とす。俺は頭から水を被った。厚手の布地を受け取り、頭と顔を拭く。
アフロディーテを見ると、汗でシャツが濡れている。革の胸当てから大きくハミ出した横乳は、肌の色が透けて見える。
『アフロディーテでも、汗をかくんだな』と思った。
「アフロディーテも水を使ったら?」
アフロディーテは厚手の布を水で濡らした。そして、顔と首筋を拭いた。 アフロディーテのウナジがとても色っぽい。
「まだ、階段は見つからないか?」
「もう少しだと思います」
そう言うアフロディーテのシャツが、脇腹にピタリと張り付いていた。透けて見える肌の色に、俺の煩悩が正直に応える。俺の煩悩は今日も元気だった。
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