モノラル編(2023年1月執筆)
二人三脚には罠がある
2018年執筆の『モノラルと2Dの国』以降のエピソードを、少々追加しようと思う。
◇
小学校で、親子二人三脚リレーをすることになりました。
どちらの足を縛ったほうが走りやすいか、という子供の希望により、自分の右足と子供の左足を鉢巻で縛ります。縛り終えて、立ち上がると、
……しまった。子供が何言ってるか、まるっきり全く聞こえないぞ。
私は右耳難聴である。人の声は、左耳でしか聞こえない。
なのに、背の低い子供が、自分の右側にいるのだ。普段なら、かがんで高さを合わせた上で身体を捻り、左耳を子供の顔付近に持っていくのだけれど、お互いの足を縛っているせいで、それも無理。
子供に「ごめん、今何も聞こえないから!」と断って、一方的に喋り、私が子供の肩を叩く合図で一歩目スタートすることと相成った。
いやぁ、まさか二人三脚に、そんな罠があるとは思わなかったな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます