短歌集

雪待ハル

短歌集

理不尽なことがこの世は多すぎて

折れた心を何度も繋いだ


始めから期待なんてしてないよ

そう呟いてめそめそ泣いた


複雑な気持ちを鏡で見てみます

ほんとの願いの形探して


しにたいと望んでそれでもできなくて

生きたいのだと再確認する


いつぞやの景色を思い出しながら

これからのことを深く考え


言霊よ静かに届けあなたまで

傷付けぬようにそっとやさしく


羽根の音お日さま昇ったその先へ

明るい方へと翼を広げて


上弦のやさしい温度の色をした

空を背中に輝く月よ


変わりたい受け止め方も流し方も

少しずつ覚えていきたいな


悲しみに染まらない色育てたい

あなたがくれたマグカップみたいな


いい加減と読んで書くのは良い加減

肩の力を抜いて構えて


折れそうな心がひとつあったけど

天を仰げば空は青くて


鮮やかな世界の中で息をする

目覚めた生き物たちと一緒に


感情をひとつひとつと確かめて

嵐に吞まれぬように舵切る


引き留めて放さずにいる記憶

やさしく手放す手順を教えて


好きなもの心を助ける恩人です

恩を返せるときまで頑張る


はっとするような黄色と緑色

日に照らされて凛とたたずみ


冷めきったコーヒーちびちび飲みながら

ラジオ流して作業に集中


うつくしく なお咲き誇れ逆しまに

空の青さに恋い焦がれるまで


見えないよ君の想いも考えも

考え考え的外ればかり


贈りましょういつか過ぎ去るその日をば

待たずにあなたに可憐な花を


正解は誰も教えてくれないけれど

それでも探せ明るい道筋


優雅なる飛び様見せる赤とんぼ

秋晴れの空雲風に映えて


朝焼けがやさしく心をなぐさめる

ピンクにオレンジ紫に


泣く度に涙の温度を知る度に

己が誰かを思い出す


透き通る深い青色をした空

まぶしい光とあなたの笑顔


甘やかな花の香りを運ぶ風

いとしいあなたのもとまで届け


温かな甘みと苦みと酸っぱさが

心を癒すホットカフェオレ


生と死と心は狭間で揺れ動く

生きてるだけでラッキーと

思い出すまであと何分


苦しいとあえぐ胸の深い傷

血を吐き誰かをけがす前に

皆の手を借り立ち上がりたい


うつくしくやさしい色の朝焼けだ

この一日に希望を託して


触れていて心細くて泣きそうだから

生きる為にと波打つ心臓


「仕方ない」そうぼやいては手放して

進んだ先に見えたものは


夕焼けがぎらぎらまばゆく輝いて

青空浮かぶ月を映す


山々がピンクと青に染まってる

冷たい空気の中で確かに


はらはらと黄色い葉っぱが落ちてくる

青空目掛けて飛び立つとんぼ


朝焼けに向かって烏が飛んでいく

一羽二羽五羽十羽


変わりたいそう願うなら自分から

一歩踏み出す勇気が要るね


くだらないそう吐き捨てて切り捨てて

抱え込むには辛い感情


空っぽの胸を抱えて深呼吸

積み重ねてきたものを信じて


ほんとうの心はきっとここにある

誰に聞いても分からない

己自身に問うて初めて


秋の空熱い風が吹く中で

ふわりと流るるモクセイの香り


青い雲淡い黄色の空の中

突っ切るように鳥が飛んでく


何が良く何が悪くて赦せずに

何が正義で何が嫌いで


うつくしく引かれた線に惹かれます

心変わりもできない程に


強がりも弱さもきっと同じもの

柔らかな心どうか育てて


もうやだね同じ恨みや憎しみを

何度も何度も吐き出すのは

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短歌集 雪待ハル @yukito_tatibana

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