5回目
16
「さて、今日のやることは何しようか」
いい加減この展開はどうかと思ったりもしたが、先のことなんか考えられようか。
もしかしたら明日死ぬかもしれないのだから、今を全力でだな。
「あのさ、ちょっといい? なんで、またしても倫也しかいないのよ! 他のメンバーはどうしたの?」
今日の活動に集まったのは英梨々だけ。まぁみんなだって色々と予定があるよな。
個別ルートに入って時の他の人たちの出番の激減ぶりといったら……まだ始まってもいないかったけど。
「これじゃ視聴覚室だろうと倫也の部屋だろうと大差ないわね」
「英梨々にしては珍しいな。それなら詩羽先輩も呼ぼうか?」
「はっ? 冗談でしょ。誰があんな独りよがり女を呼べって言ったのよ!」
危うく鉛筆を折りかけた英梨々はスケッチブックでバシンと机を叩いた。
それでもに力は加減してみたいで折れ曲がったりはしていない。
「私は恵はどうしたのかを聞いているのよ」
「ああ、加藤か。最初からそういえばいいものを。加藤はな今日は家の用事があるそうだぞ。この頃は色々と外泊とかもしてるだろ」
主に活動で徹夜になって俺の家に泊まりになったりしているわけで。
名目上は英梨々の家ということになっているけど、さすがに月に5回も6回もとなると親御さんも心配するだろう。
圭一くんとか親戚付き合いも多そうだしな。
少しくらいは済まないと思うが当然ながらやめるつもりはない。
「それなら仕方ないか。ここで無理を通して恵のご両親に怒られたりして、こっちに来られなくなったら大変だものね。私は構わないけど」
「わかればよろしい。って、え?」
「え? じゃないわよ。この世はあんたのためにあるんじゃないのよ」
「それはまぁわかってるつもりだ。不当な圧力には偏見には断固として戦うけどな」
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