3
「漫画? 加藤が漫画?」
「それは学校でというのはどうかと思うけど、わたしだって漫画くらい読むよ」
そうだったのか。俺の話の何割を理解しているのか分からないのにな。
いよいよ自覚が出てきたのだろうか?
「安芸くん、聞こえてるよ」
「おう、それはすまんな」
「うん、まぁ大丈夫」
このフラットさはいつもの変わらないか。この安全さ加減は。
「それで何の漫画なのか聞いてもいいか?」
「今読んでいるのはね『彼氏彼女の〇〇』だよ。少女漫画だね」
「聞いたことないな?」
「一応アニメ化もされたんだけど、散々だったみたい」
「加藤がそこまで知っているとは。俺も読んでみたいかもだな」
「あ、読む? でも、今ここにはこの本だけしかないんだよね」
そうか。あらすじだけならネットでも調べられるが、それをやっていいものか。ネタバレは回避できないだろうし、変な先入観が入るのも良くないかもしれない。そこで話題をずらすことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます