遠藤少女〜All for a good sleep, and?

愛好栗一夢

序章 なんか知らんけど勇者になった

プロローグ

 はろはろ〜!いや〜、今日も晴れてい〜天気ね〜!



 …にゅ?無視かいな?それとも話しかけられてるのがご自身だとお気づきない…?

 おーい!ユーだよ!そこのユー!

 ちんちくりんな機械越しにこっちをボケーっと眺めてるユーだよー!




 …ふふふ、そろそろ気づいたみたいだねん♪

 改めて!よーこそ『夢の世界』へー!ぱんぱかぱ〜ん!

 今日ユーがここを訪れるってコト、ワレちゃんぜーんぶ分かってたよん☆

 んーでもでも、やっぱりユーは「何言ってんだこいつ」って状況だよねん。だーいじょーぶ!今からワレちゃんが説明しちゃうよん♪


 …にゅ?その前にワレちゃんは誰かって?うーん…今はナイショ!でもだいじょうぶい!いずれちゃーんとわかるから♪

 じゃ、この世界について説明するねん☆


 『夢の世界』っていうのはワレちゃんがいるこの世界、ユーが機械越しに見てる場所のこと!夢って言っても夢の中ってわけじゃなくって、ただそう呼ばれてるだけだから誤解しないように〜!とある世界ではおとぎ話の中の世界として登場するんだって〜!実在するのに失礼だこと!

 ま、話を戻して〜。

 ここはね〜不思議なものがいっぱい溢れてるんだよん♪例えば…魔法とか!エルフさんも巨人さんも人魚さんもいる!ふふ〜ん、ユーたち憧れちゃうでしょ〜?

 その歴史も深くってね〜、色々あったんだよ〜!ほらあそこ!空に地面が浮いてるでしょ?あれは大昔あったでっかい天空大陸の残りなのよん♪


 ふふふ〜、楽しそうでしょ〜?憧れるでしょ〜?でも今来ることはオススメしないかなん…?


 んとね〜、ユーが今その機械越しに見てるこの世界ね〜、な〜んか雲行きが怪しいのよん。あ、天気はピカピカテカテカ快晴よん!そっちじゃなくって運命の話!

 いや〜、ワレちゃん全てのものの運命が見えちゃうからさ〜、これから先どうなるのかぜ〜んぶ分かっちゃうのよん☆困ったものね〜…。

 そう、ぜ〜んぶ分かっちゃうの!…この先起こる危機のことも、そしてどうなるのかもぜ〜んぶね。

 

 …ここまで聞いたら、この先どうなるか…知りたくなっちゃう?なっちゃうよねん!


 突然ですが!ユーにはこれからとある女の子の視点で、その子たちの運命と夢の世界の運命を見届けてもらうよん♪

 自分じゃない人の視点で世界を見るって、なんか楽しそうだしワクワクするでしょ?


 それに、ユーにはこの子たちと一緒に、この運命を通して、見つけてもらいたいものがあるんだ♪


 ね!最&高に面白そうでしょ〜☆

 よーし!そうと決まれば即行動!ユーの機械にその子の視点を共有しちゃうねん☆


 ではでは〜!ユーとあの子の壮大なる運命の物語の〜始まり始まり〜!

 いってらっしゃ〜い!




  『遠藤少女〜All for a good sleep, and?』 愛好栗一夢




 「なあ、あの噂知ってるか?」


 「あれでしょ?呪文唱えたら異世界いけるとか言う、胡散臭いやつ」


 「えー?なんか面白そうじゃん!」


 クラス中あの噂の話で持ちきり。みんななんでそんなので盛り上がれんのか、ほんと意味不明。どーせ嘘に決まってんのにさ。ったく、誰がこんな噂流してんだか。


 「ねえ、和愛みやびちゃんはあの噂信じてる?」


 「遠藤えんどうさん、意外にもそういうの好きだったり?」


 クラスの女子が話しかけてくる。いや、逆にみんなこういうの信じちゃったりするの?

 私は立ち上がり、席から離れる前に言った。


 「いや、普通にありえないから。そんなこと試す暇あったら勉強したら?」



 第一話へ続く

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