自分に向き合う

 心が落ち着くと言って書いていた作品も、今では無事にお蔵入り。

 一体何をやっているんだ……。


 書いている時は充足感があったが、いざ投稿するとこうではないんじゃないかという不安に襲われてじたばたした挙句に袋小路に迷い込む。

 今年に入って書き出した物は短編以外は全部同じ轍を踏んでいる。

 短編も練り込みが足りないと明確に自覚する物が多くてどうしましょうっときたもんだ。


 そんな状況になれば流石に私自身のメンタルと言うか、姿勢に問題があろうと言う事は嫌でも気付く。


 確かに私は世間の流行など気にせずに好きな物を書いていた。

 だが、物語とは好きなものを好きなように書くだけでは良いものは書けないんじゃないかと思い至る。

 

 結局、好きな物を好きなように書くなんて行いは、読者の視点を忘れている時点で作者の独りよがりの文章に過ぎないのだろう。

 PVなど気にしないと嘯くならば、そもそも自分のパソコンの中にだけ留めて置けば良いのだ。

 誰かに読んでもらいたいからこそ投稿サイトにアップするのだ、ならば読者の視点を忘れるべきじゃない。


 書いた小説を読んでもらいたいと思ってしまっているのだから、読まれるための努力も必要だ。

 これが自己顕示欲なのか別の何かは分からない。

 分からないが読まれたいとそう思うのならば、読者の視点を忘れずに小説を、物語をかき上げることが肝要。

 書いては消してを繰り返している様では話にならない。

 それどころか、すぐ消す作者と思われるのが関の山。

 まず読まれなくなる。


 これを打開するには完結作品を積み上げていくしかないのである。

 短編にしろ、中編にしろ、長編にしろ。

 書き始めたならば終わりまで書かねばならない。

 それはきっと当たり前のことなのだろう。

 その当たり前を行うことの難しさを痛感している所である。


 少なくとも作品は完成させてから投稿する以外には私に対処法はないだろう。

 甘い目算は読者の信頼を損なうばかりか、自分自身のやる気も減退させる。

 何よりもそれが恐ろしいと思う。

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