爆弾

「はいコレ」


「え、私、ダイエット中だって言ってるでしょ...!そんな大きなおにぎりを食べられる訳がないっっ」


「えっと。遠慮しなくてもいいけど。

そのさっきなんか、奥原さんのお腹鳴る音聞こえてきたし、その、これ、中身、

鮭だから。しかも超具沢山に入れたから」


「な、聞こえたの...⁉︎」


「あげる」


俺はそう言って彼女の机の上におにぎりを差し出した。


「俺、天気もいいし。屋上行って飯食おっと。

それじゃ」


俺は席を立ち、教室を出た。


彼女がおにぎりを食べたのか食べなかったのかは、実際のところよく分からない。

その答えは、

放課後になるまで分からなかった。

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