教授

時刻は昼休み。


昼休みが終わるまで、俺もマドンナも

昼飯を食べることなく、淡々と隣同士の席で会話してた。


後で聞いたことだが。

周りの男子に言わせると、マドンナと喋っていても、全くといって

イチャイチャムードでなく、一方的に俺がマドンナにバカにされてる構図だったから、

特にマドンナを好きな男子の横槍とかは一切入らなかった。


インキャ眼鏡くん。

俺はマドンナにそう呼ばれていたが、

俺の本名は山吹シンジ。

今、高校一年生。

季節は夏にさしかかる一歩手前といったところ。


夏服に移行するちょっと前といったところ。


「山吹のやつ、奥原と隣りの席なんて羨ましいぜ」


「席変わってほしいな」


「今なんか、奥原と喋ってるけど、

ディスられてんな」


「ああ。別にのろけてるとかじゃねーから。

ほっとくか、、なんか服装がダサいとか

不細工だとか言われてんぞ」


聞こえてきた会話だが。

俺、まだ不細工だとは言われてないぞ。


「なんか、奥原が間違っても山吹のこと好きになることはないだろ。

ほっといてもいんじゃね?

まぁ、俺らのライバルに山吹がなることは

まず、万が一にもありえねぇからな」


「ああ、そうだな。

女子の誰もが、山吹のことは、インキャ眼鏡くん、とバカにしている今、

あいつが奥原と喋ろうが俺らには関係ねぇことだ」


「そーだな。これからマックでも行くか。

四時限もそこで時間潰そうかな、、なんかねみーし」


「四時限は古典か、、子守唄(古典の先生のあだ名)の授業か、、俺もふけよーっっと」


かなりデカい声ゆえ。

否が応でも耳に入ってきた。


俺の立ち位置。

この一年一組での立ち位置は。前から解っていたことだけど、

男子から見下されており、

さらに奥原と、声のでかい男子クラスメイトが今しがた俺に聞こえるように教えてくれて解ったんだが、周りから

底辺インキャ認定されているということだ。



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